細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

「アフターコロナ」を今のところ想定できないコロナ危機の深さ※追記あり

 

コロナについて、楽観できる科学的データはほとんどみたことがない。
今のところ免疫ができるというエビデンスがないという事実が深刻だ。

 

ハーバード大学医学大学院とブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のデービッド・ウォルト教授(病理学)は、「現時点では抗体反応によって免疫が得られるという証拠はない」と指摘。「人が新型コロナに再感染しないというエビデンスはまだ存在しない」と述べた。」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-15/Q8SYYYDWRGG801

世界保健機関(WHO)は13日、新型コロナウイルスの感染者で回復後に再び陽性になる患者が出ていることについて、回復者に免疫がついているかは不明だとの見解を示した。次に同じウイルスが侵入した際に、病原体を攻撃する抗体が体内で十分に作られていない可能性があるためだ。免疫を持つ人が限られれば、外出制限などの解除が遅れる可能性もある。

WHOの感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は記者会見で、中国上海市で行われた最近の研究から、「(回復後に)検出できるほどの抗体反応を示さなかった人もいれば、非常に高い反応を示した人もいたことが分かった」と説明した。抗体の量が少なければ、再び陽性になる恐れがある。韓国でもいったん回復してから陽性と診断された人が111人に達した。

 

ファンケルクホーフェ氏は「回復した患者からのさらなる情報が必要だ」として、データ収集と分析を急ぐ方針を示した。今のところ免疫の全体像もつかめていないといい、「抗体がどう作用するか深く理解する必要がある」とも話した。

再び新型コロナにかかった患者について、体内のウイルスが再活性化したのか、新たに感染したのかは不明だ。WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏も抗体の有効期間は分からないとし、再び陽性になる原因に関して「答えはもっていない」と話した」

新型コロナ、回復者に免疫あるか不明 WHOが警告
2020年4月14日 4:39 (2020年4月14日 6:03 更新)

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO58013600U0A410C2000000?s=5

 

免疫ができない場合、ウィルスが少しずつ変異して毒性を弱める可能性に期待するしかない。

これは淡い期待であり、今のところまったくなんともいえない。
確かに人間の歴史の中で様々なウィルスは弱まったこともある。
しかし、コロナウィルスがそうなるかはわからない。
免疫がずっとできないHIVのような疾患に似た状況と想定した場合、感染発症した場合、薬を生涯服用し続ける必要がある、そのような薬の開発はいつになるか。他、その際、呼吸器感染症なので、どの程度呼気のなかに、ウィルスが排出され続けるか、それは抑制可能かということが課題となるはずだ。

 

またワクチンも考えうるが、副作用が小さく、確実に治癒や再感染防止のワクチンができるかどうかも、わからない。
逆にさらに強毒になった場合、人間が絶滅する速度は早まるだろう。

また、検査と社会的距離の実施により、新たな感染者を減らすことは今のところできている国があるから、暫定的にはそれを丁寧にやるしかない。
が日本政府は端から過小評価し、検査実施体制を増やすスピードが極めて遅い。
だから、把握されていないたくさんの市中感染者が放置され、適切な医療処置を受けられず、感染は拡大し、死者も増加している。

 
その他様々な事情で「アフターコロナ」「コロナのあとは~する」などは想定してない。簡単には終わらない可能性が今のところ高いように見えるから、空しくなるような予想はしないようにしている。

さりとて、あまりにもこのまま終わらないという想定も当然かなり精神的にはキツイ話ではある。
しかし、事実なので、私たちが絶望でメンタルヘルスが破壊されないような新たな価値観、ライフスタイルが必要だが、当然まだできていないし、できるかどうかわからない。
人間史上一番深刻な「死」がさらに強く突きつけられるし、家に引きこもる今の対策ではDVや鬱が大変な問題である。

 

ただし私たちは今のところこのウィルスとは共存できない。
ならば、やはり死ぬ時を遅らせるために様々な工夫を社会の仕組みのなかに取り入れるしかないだろう。

社会の仕組みを変えるのに失敗した場合私たちは滅びるかもしれないし、今の社会はすでに経済や医療、物流などに危機が生じてきているから、移行の手前で私たちは大変な危機に出会う可能性もある。

コロナパンデミックにより、都会の大気汚染は改善されつつあるという面はある。すでに、人間や様々な生物の呼吸器は大気汚染により、激しく傷んでいる。
ゆえに大気汚染のある研究者によるとコロナは「大気汚染で傷んだ肺はコロナによって、ガソリンに火がついた状態」という面があるようだ。

また、コロナを生んだのは森林伐採であるという説もある。
森林は、動物が互いに隠れたり距離を保てる環境であるが、木がなくなると、動物は互いに隠れる場所がなく接近せねばならず、相互のウィルスに感染しあい、ウィルス変異が促進され、開発者である人間にも感染していくのだという。

私たちがまずやめねばならないのは環境破壊である。
そして、貧富の格差により貧しいひとが環境破壊的な産業に動員され、より環境破壊的な安い大量生産品しか買うことができないくらい疎外されているということが、さらなる環境破壊と貧困の再生産となる。

環境破壊と貧富の格差が、地球生態系を危機に追いやり不可解なウィルスが増殖し人間の危機を深めているのだ。

 

 

※追記(2021.5.14)

 

抗体については昨年の上記

の記事の当時はわかっていませんでしたが

以下本年1月の記事のように、8ヶ月程度免疫記憶が持続するという研究結果が出ました。

 

新型コロナ 感染後の免疫 8か月間は持続 米研究グループが発表
2021年1月9日 11時19分

 

新型コロナウイルスに感染するとヒトの体内でできる免疫は8か月間は続くとする研究成果をアメリカの研究グループがまとめ、有力な科学雑誌サイエンスに論文が掲載されました。
アメリカのラホヤ免疫研究所などの研究グループによりますと、感染した19歳から81歳の男女188人の血液を調べた結果、新型コロナウイルスを攻撃する「抗体」は、発症の20日後から8か月後まで安定して検出されたということです。

また、この特定の「抗体」を作り出すメモリーB細胞と呼ばれる細胞は、発症してから4か月後から5か月後まで緩やかに増える傾向がみられたとしています。

さらに、この細胞などを活性化させる「司令官」役の別の細胞や、新型コロナウイルスに侵入された細胞を破壊する細胞も、時間の経過とともに減少するものの多くの人で6か月以上は安定して存在することが明らかになったということです。

一度感染して体内でできる免疫が次のウイルスの侵入に備える働きは「免疫記憶」と呼ばれますが、新型コロナウイルスの場合、確認から1年ほどしかたっていないため、「免疫記憶」がどの程度続くのか詳しいことはわかっていませんでした。

ラホヤ免疫研究所のシェーン・クロッティ教授は「今回の結果から、感染者の多くは再び感染してもある程度長い期間、重症化することから守られる可能性が示された」としたうえで、今後、ワクチンでも同じようなことがおきるのか研究する必要があるとしています。

 

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210109/k10012805651000.html

 

また、現時点で複数のワクチンが開発され、アメリカやヨーロッパでは接種が進んでいます。

日本政府はワクチンの獲得やロジの構築に失敗し、まだ高齢者の接種すら終わっていません。