細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】新しい町に

人間ということ

毎日

考えてみるが

やる気が浮かばず

ずっと目標がなく

生きてきたと

いう

気がついたら

人間だったから驚いて

私であることは

なんと重たく

儚いのか

夢を見て目が覚める

目が覚めて

夢を思い出せず

光の中に

まぶしい戸惑いがあった

生まれた時の

ことではなく

ずっと未来からの

滅びた涙を

流す

 

何かを書いているときに

つかみかけた

痛みとか

なぜなのかという

人間から

逃げようとする気持ち

 

生きるということの

複雑さに

それは担えないと

へし折れて寝ていたい

気持ち

それは病気であり

病気でない

人間がかかった

最初で最後のやまい

ふわふわと

性懲りもなく

舞い降り

にこやかに

駅を出て

新しい町にゆく