仮定された未来にあわせて命を切り取らないで。それは未来自体をなくすことー新型コロナ禍と優生思想への批判

これは新型コロナ禍における人々の言論の推移を注視しながら、相当の悔しさを背景に書いたものです。

例えば、コロナ対策をまるでしないで「集団免疫獲得しましょう」って、これ優生思想的なんです。
感染症の危険が高い人はどんどん「死んでも自然現象」にされるでしょ？

(人間が生態系を破壊したため、動物と人間の距離が破壊され、動物のウィルスに人間が感染し変異して強毒化している状況。人間が環境破壊した結果温暖化で災害が起きるのと同じ)
これ放射能汚染や公害物質の垂れ流しも同じです。
(人が死んでも有害物質との因果関係を認めない。単なる偶然とされてしまう)

要するに加害者とか支配者の発想。
同調した瞬間、いろいろ成り立たなくなる。

こういう発想はアメリカも日本もブラジルもスウェーデンもあり、どの国も人がたくさん亡くなり破綻しています。日本はたまたまアジアにいるため、最初は欧米並みにならなかったが、アジアでは死亡率が高い。ここも「日本すごい」でスルーされている。

他の国はただでさえ、たくさんの人が亡くなり重症になるウィルスだということをつかんでいて、検査体制を強化した。
最初は甘くみて対策をあまりやらなかった国も、感染爆発をみて対策すべきだとなった。
つまり「対策しない」というのは、新型コロナのリスクを理解してないか、理解してなお多数が死んでよいとしているか。
経済のためというが、患者増大で、経済が破綻していく恐れを想定してないのはおかしい。
検査を受けやすくし、重症リスクを避け安心できる方が社会は維持しやすい。

誰が死んでいくのか。貧しい人や社会的にマイノリティ、心身に不調を抱えている人、つまり貧困、差別などで医療にアクセスが困難、生活に困難を抱える人、それからエッセンシャルワーカーつまり感染リスクの高い場所で働く人。

そういう状況において、検査「抑制」やマスク不要論を唱えること、セックスワーカーの補償を否定してしまうこと、「命の選別」という言葉を称揚すること、「自己責任」的な対策だけを強調すること、「コロナは捏造」ということ、などなど、一国家のみならず地球全体の優生思想への傾斜を早めるものと思います。

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私は障害者です。
毎日生きているのが辛いです。でも精いっぱいいろんな人の協力で、命をつないでいます。

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小さい頃、まだ診断は受けていなかったけれど、仲間外れにされたり、スクールカーストの最下層に置かれ、バカにされていました。
高校くらいからだんだん、生きていくのがしんどいという感覚が出てきました。

で、たぶん高校、大学時代は、病気の第一期。
「癌で20で死ぬんだ」という妄想が出てきて、未来のことが考えられなくなりました。
病的妄想ですから、スッとは消えないです。４年間くらい苦しんだけど死なない。その翌年阪神大震災と地下鉄サリン事件が起きました。

で、妄想は薄れたんだが、生きていく気力がなく、大学でても、ほとんど何にもできない。バイトもやったらすぐ辛くなる。だから、図書館にいって本読んだり、川を眺めていた。で、私が仕事してると嘘ついて仕事してないことがバレた。

まあこっから話は長くなるから省略しますと、介護の仕事につくんですが、３年で気力が尽きて、また組織とも反りが会わなくなり辞めた。失恋もし、本格的に体調がおかしくなり、今から15年前に障害認定を受けました。

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私は相模原事件で犠牲となった人々のような、重度の知的障害者の介護の仕事をしていましたし、ヘルパーや社会福祉士になるときに、講座や研修を受けました。

ある時山奥の巨大な特別擁護老人ホームに行きまして、部屋の掃除をしていた。高齢女性三、四人が窓から見える崖や山の斜面の夕日をみながら「姥捨てみたいなもんやあ」といってました。あの光景は忘れられない。

要するに「生きながら排除されている」という絶望を与えられているんです。これを「絶望してるし、社会にも負担だから死んでもらおう」という理路が私はとても嫌です。

それから相模原事件のとき、私は介護をしていた相手の障害者のみんなと、自分の顔が重なって、自分たちは「死すべき」とされて、腹が立ち悔しかった。
しかし、私のような思いをもつ人が反安倍の側にも少ない。これは厳しいなと思いました。

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人がそれぞれいろんな思いやこころやからだ、いきさつを抱えて生きているというのが社会を構成する基本。
それを理解することが社会を知り、良くしていくこと。
しかし、これは急がば回れです。
人はわかりやすい未来への前向きさ、みんなでひとまとまりにくくることを望みます。「早い」ように見えるから。

そうなると、人を平均化しモデル化します。
だから他人の個別の存在が疎ましくみえてしまうのです。
違います。
あなた方の眼差しの置き方がこの世界からあらゆるニュアンスを奪っているのです。

仮定された未来にあわせて命を切り取らないで。それは未来自体をなくすこと。