細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】梱包材composer

火がつかない 燃えカスだからだ なかったからだ もともとなかったんだ 草を踏み、鉄橋のカゲを歩いている 本当だ いま見えないです ここは馬が走っていたんです あの頃 僕は雲から雲へ飛び移って 見えない存在だったんだ 揺れ動いて 揺れ動いて あなたに比べたら血は一滴もなく 圧倒的に無敵で だから命を持たなかったんで今でもその名残があるので 頑張れないんです 風に肉がついたら訳がわからないでしょう だけど風は肉の原初形態ですよ 生きながらに死んでいるものなんです だから この世は懐かしくて気まずいんですね うすら笑い 浮かべてるしかないんです すべて真剣ですがね 真剣さは見えないのです 一生懸命な人には見えないです

僕は命に慣れないです だからあなたに話す内容を持たないんです ただ右から真ん中へ 真ん中から外側へ 僕の皮膚の中から泡が生まれてきますよ 泡にしかなり得なかったんです 形はありましたが、内包するのは 梱包材のプチプチみたいに 小さな音でしかないんです