細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】話したいことが 思い浮かばないくらい 懐かしい話がしたい

心が息苦しく 泣いている 秋の入り口の 雨に 半日眠っている 昼まえ体操をして 腕立て腹筋 疲れた体に ゆっくり血が流れる ぴりぴりと 足に血が流れ始め 内臓が揺れ動いている

しあわせになりたい と 願う願うのです

しあわせになりたいのに 空を見つめ ため息をついた こんな暗い空の限り無さに もう嫌になりながら 雨音が私を刻む そうだ ぱちぱちぱたんぱたんぱち そうだ 詰め合わせた悲しみのこの 命を前に一つ一つ出さねばならない 進むことに意味はない 時間の重なる 川の流れる 水が一つ一つ私たちを 打ちつける

君に会えなかった 君、どころか、ひとに会えなかった ひと、がわからない 私が人かわからない その場所から じりじり歩いてきた

君が失ったもの 君が手に入れたもの なんて、わからない 私はただ生きてきた だけだよ

屋根に打ちつける雨が 私を許してくれるのかな 光がまばたく

君を待っていると 車が何台も通る 想像の世界 想像の悔しさ 君のことも 彼のことも 彼らのことも 石も草も 父祖のことも 国のこともわからない

私は白紙なんだ 何かを知るたびに 私の中に空白が増える 知ることによってしか たどり着けない無知がある

白紙の私が 空白の言葉を話す 穴だらけで 口から念仏が行列する 話したいことが 思い浮かばないくらい 懐かしい話がしたい

雨が また強くなる なぜわかる 雨が 雨が