細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ジャスタロンリープレイス

 


生きていけないと
思いながら
途を歩いてきた
夢のなかを
歩いていた
そのつもりでした

クムクムクム

難しくて
汗流す
そんなに
気張らなくて
いいのにさ

古い家が
城跡の
もう城がない
そのあとに並んでいた
少しずつ古い建物が
消えてゆくのに
もう城もないのに
そこはまだ
城下町に
見えるんだけど

僕たちは
何をみてるんだろ

在るもの
と無いものがあり
透かし彫りのような
過去の前に
僕はひざまずいている
四方から吹いてくる
未来の風は
ただじゃ済まない

方向もなく
一人一人に
方向が与えられているのか
わからない
眠ることさえ
できない
目覚めたとき
ただそれが
「毎日」と
気づくのであって

木の枝が騒いでいる
寂しさを埋めた日に
なおも
木の枝が騒いでいます

世界には
埋められることのない
寂しさがあるために
僕だって寂しい

これはただの
病気じゃないさ
気のせいじゃないさ

僕は小さな頃から
ずっと感じてきたんだ

小さな鉄道が
何本か
かたかたと
揺れて
僕の気持ちは
あまり
温かく思えない

石の塔が
見えて
堤の上に出る

僕は
誰の代わりに
悩んできたのか

この中にある
気持ちは
もはや
誰が泣き
誰が愛したものか
わからない

しかし
僕の
胸だろう
これは

確かに


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