細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】引き裂かれる前の力を

 

 

明るささえ
罪だとしても
求めるあたたかさを
待ち受けている

 

 

文明の明るさは暗さであり
罪と罰であり
生かされている
世界が
知らぬまに
私を
狭い部屋に閉じ込め
生かされている
という幻を
目の前にしつらえた

 

元に戻りたいという罠と
悪くなるばかりだという罠と

 

私たちはいつだって
始まりを生きてきた
始まりを押し広げる
力が闇を切り裂き
私たちはいつだって
叫んできた
名前を
誰にもない名前を
狂おしい火の玉を
つかみ
青く草の風に包まれて
冷たい光のなかを
起き上がる
その時に
果てしなく
形のない人々が
海や山から立ち上がり
無の力で
在るがざわめいて

 

 

いつだって
尽きてきた
いつだって
生まれてきた
どちらもが
どちらをも
否定することはない
とくとくと
とくとくと
水が流れている
命は引き裂かれた光と闇に
なる前の