細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】腐敗の歴史

大好きな音に耳を塞ぎ

君に拒絶されないようにする

君の声を聞かず

君の姿を見ず

君の放つ香りさえ感じなければ

僕は痛みを感じなくて済むのだ

 

そのように

僕はビリビリしている

大切だと思えば

ビリビリして

どうでもいいと思えば

ビリビリする

 

古い町しかない

この世界は全て

古い町の跡だ

その中で

見つめ合い

愛し合い

憎しみ合う人びとは

みんな滅びた

しかしそんな儚い瞬間に

多くの人が

真面目になった

 

積み重なる死体は

そんなにも強く

選ばれる愛と

選ばれなかった愛の

違いを感じながら

すべて腐敗して

散らばってしまった