細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ひとり歌うしかなかったように

 

生まれたところからあと3センチ
歩いてみてください
ベルを鳴らして
華麗に響きあってください
あなたには見えないもの
聞こえないものが
かすかに
感じられるはずなんですから

そうして

後悔してください
悪を見抜けなかったこと

生きているから
罪があり
なお罪を晴らせるのも
生きているからだと
それは
誰責めることない
真実
胸に刻んで

 

高い空の
透明な宮殿
草がなびく
空き地のようなところ

僕はなぜあんなに
夢の中で懇願していたのか
あなたの
呼吸が途切れないように
誰もあなたを
助けることができない
この限界の世界で

ただお茶を飲みながら
静まりかえって
自らを
守ることしか
なかったように

救いの手になれない
私の手さえ
世界を
次の瞬間に送っていく
新しい
笛を吹いて
慰めを
ひとり歌うしかなかったように