【詩作品】言葉の境界線で
言葉の
こちら側と向こう側を
なんとか
かき分けて
休めるところに来て
息を吸いますと
透き通った空に
愛に似た何かが
棚引いてくるような
気がしてくるのです
何かが見えたり
感じた気になって
ホクホクした気持ちになっています
と
それは
夜の方角に
隠れて
うつろな顔になるので
日々こんなに
裏腹で
あいまいでは
やりきれなくて
草に触れ
光が差す方向に
歩いていかねばならない
もう疲れたのに
まだ先があって
感謝よりも
ため息が出るのです
人間の運命は
過酷です
言葉という虚ろなものに
息を
吹き込まないと
それは飛ぶことも
降りることも
できないので