【詩作品】すきま風を抱きしめて
心にすきま風。
昔から切なかった。
いや、さぶかった。
さぶいなら体動かせばと言われた。
目的もなく学び働いても目的がわからないので、作業の意味がわからず冷え冷えする。
つかんでいた縄を見失い
私は漂い出す。
あなたとつながっていた何かも消える。
初めから何もなかったみたいに。
私のように強いすきま風にさらされないものは他に悩みはあってもすきま風にたおされることはない。
いくらかすきま風があっても、誰かと暖め合えば耐えられるかもしれない。
しかしあまりに強いすきま風は、私をフラつかせる。抱き寄せた誰かを倒してしまう。
私には強い風圧がかかっていた。
私はすきま風がどこから吹いているか知らなかった。
しかしそれは私の中から吹き荒れて私を蒼ざめ、立つことを辛くさせているのだ。
私はすきま風を吹いている場所を少しずつ塞ぐしかない。
ひ弱な愛する力と、愛されていることに気づきにくい心で
私の穴をわずかずつ塞ぐしかないんだ。
寂しさについて、いま私は物語ってみた。
寂しさと戦ってはいけなかった。
寂しさに慣れてはいけなかった。
魂は暖かさを求めているから。
答えがない世界で
私たちは寂しさに襲われる。
その時、私たちは生きているということを
抱きしめねばならない。
生きていることを抱きしめるのは私しかいないのだ。
私が抱きしめる力を
強くすれば
必ずその力に気付くものが
あらわれるだろう。
その日を信じて。