細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

福島地元紙「除染土壌の安全な再利用は管理が必要な土壌の減量につながる。しかし、住民が受け入れるには、何より「安全」について納得できることが重要」と報じる。しかし除染土壌が安全とはとても思えない。

以下リンク先引用。非常に危うい論旨に感じました。

福島民報は除染土壌再生利用の国策を批判しないのでしょうか。

 

【除染土再利用試験】納得できる環境整備を(6月10日)

http://minpo.newsmart.jp/sp/news_etc/2017/06/post-62869.php

「 環境省は昨年4月、「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」を策定した。その後、再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方をとりまとめた。県内の除染土壌などを再生資材化し、関係者の理解・信頼を得ながら、安全な利用を段階的に進めるという考え方だ。
 背景に中間貯蔵施設に搬入される汚染土壌と廃棄物の総量が最大で約2200万立方メートルに上るとする推計がある。東京ドーム約18個分の量だ。そのまま全量処分することは県外に最終処分場を確保する観点からも難しい。中間貯蔵施設で管理する除染土壌の容量を少しでも減らす必要が指摘されていた。
 現在行われている試験は、仮置き場の大型土のう袋約1000袋を開封し、大きな異物を取り除く。ふるいでさらに異物を除去した後、放射性濃度が3000ベクレル以下のものを分別する。品質調整し資材化した土壌を基盤とし、その上は放射線を遮るために一般の土砂で覆う。7月までに高さ約5メートルの盛り土を完成させる。一定期間、周辺の放射線量を測り、風雨の影響なども調べる。
 実証試験などを経て除去土壌を再生資材として活用できるようになれば、長期間にわたって基本的にそのままの状態が保たれる盛り土などの構造基盤に限定して使用する方針だ。具体的には土砂やアスファルトをかぶせる鉄道や道路、コンクリートで固める防潮堤防、植栽で覆う海岸防災林などを想定している。
 ただ、土やコンクリートで覆うとしても、万が一、大災害に見舞われて崩壊した場合の安全性などを不安視する向きはあるだろう。「安心」を疑問視する住民の反発も予想される。一方で、避難指示が解除されても、土のう袋が田畑などに山積みされたままでは復興・再生への妨げになっているとの声は多い。
 除染土壌の安全な再利用は管理が必要な土壌の減量につながる。しかし、住民が受け入れるには、何より「安全」について納得できることが重要だろう。着実に実証試験を行うとともに、成果を共有する環境整備にも力を入れるべきだ。(関根英樹)」

 

確かに帰還困難区域、避難指示解除区域など、だけでなく、汚染重点調査地域を含め、関東東北にはおびただしい除染土壌が数年で劣化しうるフレコンに入れられ、山積みです。

それを粘土を混ぜて遠心分離したり、薬剤をかけたり、焼いてみたりして、放射性物質を分離するというのですが、100パーセント除去できそうに思えませんし、除去してもフィルターや処理残渣や廃水に残るわけで、またその処理が難題です。

そのような技術的疑問について、なぜ記事に書かないかよくわかりません。

山積みの廃棄物を何とかしてあげたいという親切心だと好意的に解釈しても、仮にフレコンをよそに移しても本当に帰還したりできるか、何の心配もなく汚染された地域に住めないのではないかという疑問があります。

福島県の新聞だから書きにくいのはわかりますが、県民が放射性物質にさらされている現実をマスコミは伝えて欲しいと思います。

さらに除染土壌を他の自治体が受け入れる前提になっていますが、汚染を引き起こした東京電力が引き受けるべきと思います。

なぜそう書かれないのかも疑問です。

汚染物質はまず汚染者が責任を負うべきです。

そのような原則が放射能汚染下の日本ではなし崩しです。

除染土壌の再利用は減容よりも汚染者の責任を隠し、目に見える汚染の現実を隠すだけではないかと思います。

そのために放射能安全神話が作られては、それは原発安全神話と何が違うのか私にはわかりません。マスコミはしっかり向き合い、事故が2度と起きず、人々を被ばくから守るべく、政府に汚染拡散ではなく、防護政策に転換するよう求めるべきです。

 

さらに8000ベクレル以下の放射能汚染廃棄物についても、稲わらなど、農家に保管されています。

8000ベクレル以下のものを指定を解除し、一般ゴミとして処理する方針を国は出しており、宮城県は全県的に焼却処理の話が出ており、焼却処理に反対する自治体も、堆肥にしたり、田畑に漉き込むと言っています。

何のために除染したのかわかりません。

 

 

また、関東東北には学校などの敷地内にひっそり残っている汚染廃棄物や、汚染が取り除かれず注意喚起もない場所もまだまだあるでしょう。

これでなぜブロックされコントロールされたと豪語して政府はオリンピックまでやるのか。

オリンピックをして、世界にも放射能安全神話を広めようとしているのでしょうか。

しかし、ロクに汚染影響の調査が行われてません。

 

さらにこんな記事もあります。

放射能汚染廃棄物の中間貯蔵事業会社には大量の官僚OBが天下りしているようです。

 

東京新聞:汚染土「中間貯蔵会社」が官僚19人受け入れ 「16年終了」を延命:政治(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017042402000128.html
‪「元経済産業省官僚の古賀茂明氏は取材に「環境省職員だからといってPCB処理や中間貯蔵のプロというわけではない。OBや出向者を二十人近くも在籍させる必要があるのか疑問だ」‬

 

東日本大震災:福島第1原発事故 中間貯蔵事業社長、政府が再任を了承 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170607/ddm/013/040/038000c

 

さらに環境省は10万ベクレル以上の廃棄物を焼却処理する施設を作ろうとしています。

 

環境省/中間貯蔵・減容化施設の性能要件案/処理容量は日量200トン
日刊建設工業新聞社- 2017/05/25

http://www.decn.co.jp/?p=91622

環境省は25日、福島第1原発事故で福島県内に飛散した放射性物質の除染廃棄物を最終処分するまで保管する中間貯蔵施設(福島県双葉町大熊町両工区)の建設計画で、年内に双葉町工区で着工する可燃性除染廃棄物の「減容化施設」の性能要件案をまとめた。焼却過程で出る灰やばいじんの処理も含めた施設の処理容量は1日当たり200トン程度を想定していることを明らかにした。」

 

清水建設/中間貯蔵施設向け除去土壌改質材開発
日刊建設工業新聞社 (会員登録) - 2017/05/30

http://www.decn.co.jp/?p=91745

 

放射能汚染土壌なので、改質と言っても、放射能は消えない。

 

環境省や業界ぐるみで、原理的には消えない放射能を消せるかのように、大金をかけようとしているのではないでしょうか、私は心配です。

放射能を無視し、見えないようにして本当に復興と云えるのでしょうか。