【詩作品】encounter
この世界の
終わることない騒がしさ
に
耳を塞いでいる僕ですが
それは聞こえ過ぎるからです
もっと聞こえ過ぎる人もいる
でしょうが
なんでこんなにうるさい
脳みそ自体が
さらにそこからカラダの中を刺激する
僕は苦しい
なぜなら君の声が聞こえなく
なるからです
雲が川面に映ります
川面はいつまでも揺れています
不安な始まりをうつします
僕の中には
細い糸しかありません
なんとか切れないように
守っていたいのですが
風や雨に
僕は削れていきます
僕は激しい風邪を引きます
産まれてもう中年に
なってしまったことを呪います
これからは
親も歳をとります
僕は
どのように
いきていけますか
僕のワガママや思いが
たくさんの人に
迷惑をかけている気がします
僕の思いを
生かそうと
ずうずうしく
生きてきました
本当に
僕の全身で
わずかな思いだけを
抱えてきました
生きることに
意味がなくても
生きるんだと
苦い苦い朝日に
僕はもう本当に
駄目だと
何度思ったでしょう
それでも
水が流れ
雪はきしんでいきます
流れるあたたかさに
沢を渡る
僕がいます
深い山を切り分けて
会いに来たのです
実際のもの
現象の奥にあるもの
光りがあるのです
葉が開き
光りを受ける時の
さわやかさです
僕や君が老いても
出会える美しさが
あるのです