細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

はだしのゲンの作者テレビに出てた

 今日昼大和田獏司会のワイドショーをちらっとみたら、「はだしのゲン」作者の中沢啓治氏がインタビュー受けておった。非常にお元気そうに見えた。血色もよく声も張っている。69歳。しかし被爆のせいらしく急速に目が悪くなってきているらしい。もう目が立て続けに白内障やらいろいろ悪くして視界がぼやけているらしい。もうマンガ書けなくて悔しいとおっしゃっていた。
 その代わり、自分の被爆漫画として第一作の「はじまりの朝」というハードボイルドマンガを映画化したいといっていた。ハードボイルドな殺し屋だが被爆経験があり、アメリカの武器商人ばかり狙うのだという。「アメリカで上映したい」と野望を語っていた。正直色々実現が大変そうだと思った。ちらっと映ったのはゴルゴっぽい劇画調の主人公。ああ、劇画の時代だったのだなあ。
 昨日NHKのプロフェッショナルで宮崎駿が出ていた。もう老い先短いとか、体がしんどいとか、母ちゃんのこと思い出すといっていた。宮崎駿67歳。まったくちがうタイプの表現者だ。だが年は近くて、見た目は(中身は別?)かなりエネルギッシュなオヤジさんたち。昔の60代よりは明らかに元気バリバリだ。しかし当たり前だが、どうもご本人たちにも年寄りになってきたという切迫があるようなのだ。中沢氏は被爆による体への影響を非常に心配しているようだった。うちの親父は1944年生まれなので、ものごころはついていないが戦時中生まれ。よく貧乏だったという。それになんかギラギラしているのが上述の2人に雰囲気が近い。
 宮崎駿は「お母さんやみんなを喜ばせるようなものを作らないと自分の存在理由がない」といっていた。中沢啓治氏は恐らく怒りや悔しさから義憤に至っている。彼らは戦後も戦いと見なしている気配がある。中沢氏の場合は非常に差別が苦しかったろう。
 うちの親父は「貧乏になりたくない」かな?「家族」?でもやっぱり家族が大事、母ちゃんが好きってのはあるように思う。宮崎氏、中沢氏もお母さんを苦しませたくないという感じが強い。父というより「息子」としてアイデンティファイしているのだろうか。

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻