細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】生きることが生きる瞬間まで歌おう僕らは

 


早く死ぬか遅く死ぬか
誰が決めるんだよそんなこと
こんな土地じゃ生きていけない
ふざけてるからじゃない
真面目にそう思うのだ
生きていけないと考えて初めて
生きることが生きるんじゃないか
だって今も何にも意味ない
意味ないことを知るために
生まれてきたようだぜ
覚悟しな
何を?

ふてくされてんじゃない
ぶっ潰してやる
おまえは街の中で希望を歌うのか
冗談じゃない笑わすな
希望を歌う前に
希望をくださいよ
くださいってバカみたいだ
そうだバカだ
僕はバカなんですよ

バカだから全て欲しいのだ
ついつい意味とか未来とか
考えちゃうから
あんたの腑抜けた顔が嫌いになる

いろんな事情があって
そうかこの夜が嫌いなんだな
全部冷え冷えと気持ち悪い
僕の愛が足りないのか
暖かい炎なんて
ここにはないよ
昼間の青い空が消えない
もうだめらしいよ

✳︎

生きてて楽しかったか
僕は楽しいよ
ゲロ吐いたこと
嫌われたこと
トイレで唾を吐かれたこと
カバンを持たされたこと
母に泣きながら話したこと
海が見たいこと
あの人を抱いていたこと
かぎを落としたこと
死んじゃいたいこと
笑いたいこと

ぜんぶぜんぶ
プレゼントなんだもらいもんなんだ
僕はこんなに生きてきたのか
いみを感じるなんていえない
いみに入りきらないんだ
これをあんたに伝えたくて

無責任か
あんたに伝えたくて
悔しいの
伝えたくて
甘えててすいません
謝るなら伝えないほうがいい
悲しいよ
うれしいのよ

✳︎

星をもらいました
青い空をもらいました
流れる川の石をもらいました
灯台から漏れる明かりを
もらいました
山をもらいました
すべて失くしました
失くしました
だけど
失くすほど知らなかったかも
だから
僕はひどい奴だったかも

こんな毎日で
うれしいっていっていいの
いいの

ねえいいの
あなたの悲しみにこたえようとして
何にも書けないよ
だってあなたの悲しみと僕の悲しみが
同じか確かめられないし
確かめる時間もないからさ

でもいいのかな
こんな毎日でうれしいっていっていいの
罪深いね
もう罪を裁く人もいないよ
僕らは
もう僕らしかいないんだって

滅ぼしてきたから
何もかもが
だから
人間はもう終わりなんだろうか
終わりか始まりかなんて
良くわからないまま
僕らは抱き合ったり
殴り合ったり
ベソかいたり
無視しあったり

僕らはほんとバカ
バカだもの
バカにしか
希望はないかもよ