細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】世界の終わりを見たくない

熱が出て苦しい

愛という文字を書く

書いてみて呆然とする

世界中は愛で出来ているかもしれない

なのに

私たちは任意のAやBにしか

愛を感じられない

それも忘れたり思い出したりして

任意のAやBを超えてしまう

 

若い時口づけをして

さみしさは埋まらなかった

もっと欲しいという感情しかなかった

口づけをすれば

するほど息は苦しく重くなった

 

ホンモノの愛には量がないと学び

次にすぐわかったのは

愛をホンモノとニセモノに区別する

手段なんてないということだ

また愛は誰かの、誰のための

ものではない

だから恋人たちは時に喧嘩し

また別れまた結びつくのである

 

なにより愛というときに

私には

この愛しかない

空を見ると

呑気に雲と飛行機が浮かんでいる

このままこの世界が終ってほしくない

君に会えればいいな

そう胸が疼くとき

世界の終わりを見たくない

もはやこの世界は終わっているとしても

と思う