細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ここに滅びが来る前に

結局滅びるのではないかね

そうでございますね

滅びる手前でも木を植えましょう

木を植えても花が咲くまでに滅びるのではないかね
お茶を飲んで少し考えようじゃないか

お茶を飲んでいる間にも滅びはくるかもしれないですね

そうだこうしている間にも終わりは来てしまうかもしれない

なんだか落ち着かないことですね

しかし逆に考えれば滅びを意識しても意識しなくても関係ない
ということではないかね

そういえば今年の夏も終わっていきますね

そうだな私は祭りには何度かいったのだが

先生は祭りは苦手なのですか

いや祭りは好きなのだ、しかし音や光や雑踏がダメなのだよ

先生それでは祭りにはいけないのではないですか

そうなのだよ、こないだも友達が演奏するからいったのだけれど
一時間くらいしたら頭が痛くなってきてしまったのだ

そうですか

だからこれも私の終末ではないのかと思ったよ

まさか頭痛がですか

頭痛は痛い時はとても痛いのだ

痛いということは終末なのですか

僕はひとともっと過ごしたいのだけど、体や心にはタイマーがあるようなのだ
子供のころから気を失ったり頭が痛くなったりしていた

先生はさみしいのですか

それがさみしいのだが、さみしいといったって人と過ごせる時間が限られているのではな

それで終末と

そうなのだ

先生はたぶん人と溶け合うことができないのですよ

そうなのかな

先生の彼方には、深い傷があるのです

その傷はいつまでも疼いているようなのだ

先生の世界はそれがあるために終わりが来ないのかもしれないのですね

僕が痛みから解き放たれるときは死ぬ時ではないかな

先生は死にたいのですか

僕は生きることが恥多きものだと思うけれどもう死にたいとはあまり思わないのだ

光が差してきましたよ

そうだな雨がずいぶん降ったのだけど

ずいぶん時間が経ちましたね

ああずいぶん

そろそろ帰りましょう

そうだな

これからお忙しいですか

僕は用事がない

ではいきましょう