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細々と彫りつける

Concering poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

在世

詩になり切れないもの

ここで、こうしている。
こうしていると落ち着かず
落ち着くということのない生き物の定めを知るというわけでもなく
どうしようもなく眠りまた起きて
憂鬱な気持ちで便所に行ってみたり
朝飯のパンを焼いてお湯をカップに注いで
何も考えないのである。
何も考えないといっても脳は作動しているのであり
感覚器は生命と世界の間にある振動そのものなのであって
すぐに疲れて眠くなるのである。

被ばくということを疑ってみても
僕は原発事故の前からずっと
疲れたり、頭痛になったり、気分が悪くなったり
時々楽になったり
友達と笑っていてそれもまた疲れたり
性行為をしてもひどく疲れたり
ずっとずっと疲れていて
子供のころも座っていてだるくなるということもあり
座りながら貧血を起こしたこともあり
僕はなぜこんなに疲れているのだろうと
思うのである。

もしかしたら、生きていることがそれだけが本当に必死なのかもしれない
と思う。
他の人はどうなのだろうと思う。
僕と他の人を比べてもよくわからないので
そして実際人と本当のところどのように心を通い合わせたものか
途方に暮れているからずっとずっと
他人のことも僕のこともわからないのである。

歌を歌っているのである風が木とからんで

君は社会に殺されたのである好きで好きで好きで


僕が破裂されたときに破裂したその穴から
見える風景を思い浮かべる
さっきからいろんな風景が思い浮かんで辛い

辛い時に今起きている戦争や爆発したドームや
汚染された水のことを考えるのである
それらはひどく具体的である
それら具体的なものについて
それは具体的だと思われてはいやしないのだが
しかし具体的なのであるから
それらを思い浮かべるのである

人が死ぬということや
言葉を交わしあえるだけでうれしいということや
窓から空が見えるということを
僕もかれも誰彼も忘れているのである。

そこにもののつながりがあることを忘れているのである

僕は欲情している店と店の隙間に見える青空に
年老いて眠り続ける犬が飼い主に心配されている
近所のコンビニ店員がはっきりした目でこちらをみたような気がする

僕の戦ってきた戦争はどの歴史にも乗っていないと思う
僕の戦争はたいへん過酷で
僕は生きている戦争であって
戦争というと変だが
生きているために何もかもを落として振り払って
髪を振り乱して
汗をかいて
眠って眠って