【詩作品】光の謝罪、夜の無罪
1人で
夜を過ごしている
厳しい言葉を話しすぎて
ゴメンなさい
謝っても意味ないが
むしょうにゴメンなさい
それを鉛筆で紙に書いて
丸める
夜は誰にも謝らず
ただ影に隠れた惑星だ
あなたに話す内容なんて
大してない
三つ葉、サンショ、タマネギ
シナモン
あなたに伝えたい気持ちは
私の牢獄に書いておいた
とてもとてもここから出て
ここから出ていきたい
出たらすぐ死ぬ虫になって
光のある方向に
たぶん飛んでいきましょう
これからは
終わりに向かう
だから
この広い空の
さみしい野原で
笑いながら転がり続ける
海を渡る
私たちは
ふるさとを亡くし始めた
亡くしたふるさとが
巾着袋で泣いていた
のど飴
道行き
旅がらす
白黒写真
だぶだぶの洋服
涙
ハチマキ
ビラまき
改札
誰がいたか振り返る
チラチラと光の筋がみえて
何もかもが始まっている
あまりに
多すぎる
暗闇の線路の向こうで