細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

大メディア及び橋下市長のPM2・5中国だけ由来説の誤報の可能性


このようにツイッター上で、此花区近くで大気汚染に苦しんでいる方の訴えに、それは瓦礫焼却ではなく中国の汚染であると言い放った橋下市長であったが・・

反論が続々。


みなさん正論です。
市長の言葉には市民に向き合う姿勢が感じられません。
発生源がどこであれ、もしPMや大気汚染での苦情が問題になっているのなら
調査や対策を検討しないといけません。現に政府でも対策を検討しています。
しかも大阪市は昨年からPM2・5の環境基準値をクリアできていません。

大阪市事業所の排出源特定を急ぐ必要があります。

そんな中
なんと産経さんが比較的まともなニュースが流しました!!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130218-00000526-san-soci

中国に深刻な大気汚染をもたらしている有害な微小粒子状物質「PM2・5」が日本各地に飛来し、健康への不安が高まっている。だが、実は日本への飛来は10年以上前に始まっており、今冬も平年並みの見通しだ。呼吸器などに持病がある人は注意が必要との指摘もあるが、直ちに悪影響はなく、専門家は冷静な対応を呼び掛けている。(伊藤壽一郎)

あれれ平年並み????
橋下さん??

■微小な粒子状物質

 PM2・5は特定の物質の名称ではなく、大気中に浮遊する粒子状物質(PM)のうち、直径2・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の総称だ。ディーゼル車や工場の排ガスに含まれるすす成分が代表格で、硫黄酸化物や窒素酸化物など多様な物質を含む。

 直径は髪の毛の太さの30分の1程度と極めて小さく、普通のマスクでは防げない。肺の毛細血管に入り込むと、呼吸器だけでなく循環器系に悪影響を及ぼす可能性がある。日本では大気1立方メートル当たり日平均35マイクログラム以下、年平均15マイクログラム以下の環境基準が定められている。

 中国は急速な工業化が進んでいる上、今冬は寒さが厳しく石炭暖房の利用が急増し、北部を中心に大気汚染が過去最悪レベルに。一時、大気1立方メートル当たり900マイクログラムに達した北京市では、住民に外出自粛を呼び掛ける事態に陥った。

 日本でも今年に入って、九州から北海道までの各地で日平均基準を超える濃度が相次いで検出された。中国に近い福岡県では「大丈夫なのか」「どう対応すればいいか」など、住民から1日30件以上の問い合わせが県環境保全課に寄せられている。

メディアも大騒ぎしていたしね・・

■10年以上前から飛来

 こうした状況について、九州大の竹村俊彦准教授(大気環境学)は「PM2・5の飛来は10年以上前から知られており、今に始まったことではない。冷静に対応すべきだ」と指摘する。

 中国で発生したPM2・5は、冬の冷たい空気がふたの役割をして、あまり上空へ拡散せず、高度千メートル程度までの安定した大気層に滞留する。北京市が日中でも薄暗いのはこのためだ。

 この大気層は気象条件に応じて日本へ移動する。顕著なのは3〜6月で、東へ向かう春の移動性高気圧に運ばれてやって来る。北西の風が吹く冬場は時々来る程度で、南風が多い夏場は一番少ない。

 竹村准教授は2007年から、この飛来メカニズムを中国の化石燃料の消費量の推定値と気象条件に基づく拡散シミュレーションで解明。PM2・5がほぼ日本全域に到達することも指摘していた。

 国内での急激な不安の高まりについては「PM2・5が一般に知られていない中で、中国の汚染状況がショッキングに伝えられたためだろう」と話す。

 日本のPM2・5の環境基準が定められたのは09年。これを受けて各都道府県で観測システムの整備が始まったが、実際の観測は“最前線”の福岡県でも11年度から。全国的には、ほとんど知られていない存在だった。

「九州大の竹村俊彦准教授(大気環境学)は「PM2・5の飛来は10年以上前から知られており、今に始まったことではない。冷静に対応すべきだ」」
 橋下さん、大メディアさん中国の汚染は今始まったわけではありません。
 市民にデマを吹き込まないでください。前から対策をしなきゃいけなかった。

「顕著なのは3〜6月で、東へ向かう春の移動性高気圧に運ばれてやって来る。北西の風が吹く冬場は時々来る程度で、南風が多い夏場は一番少ない。」

しかも橋下さんと大メディアさん、冬は時々くる程度ですって。

■高濃度で「警報」も

 竹村准教授によると、日本へ飛来するPM2・5は通常、移動途中で海に落下するなどして、濃度は中国の10分の1程度に薄まるという。中国の濃度が過去最悪になったとしても、海への落下の増加などで、日本の濃度が比例して増えることはなく、「今年も平年並みではないか」とみている。

 11年度から今冬までの福岡市の観測データを見ても、同市西区元岡で環境基準を超えた日数は、昨年を大きく上回っているわけではない。

 健康への影響について、環境省大気環境課は「今のところ各地で基準値を超えるのは一時的なもので、長期間は継続していないため、直ちに影響はない」との見解を示している。

 ただ、影響がないのはあくまで健康な人で、呼吸器や循環器に疾患がある人は、濃度が高い日の外出を控えるなどの注意が必要との指摘もある。このため環境省は13日、専門家による検討会を急遽(きゅうきょ)設置。濃度が高い日は「警報」を出すことなどを検討しており、月内にも今後の対応方針を打ち出す計画だ。

「濃度は中国の10分の1程度に薄まるという。中国の濃度が過去最悪になったとしても、海への落下の増加などで、日本の濃度が比例して増えることはなく、「今年も平年並みではないか」とみている。」
なんとまあ。

むろん
PM2・5はリスクがありますので対策は必要です。
政府も大阪市さんもきちんとやってくださいね。

それにしてもさて橋下さんあの此花区民の大気汚染の苦情をきちんと調べてみる必要があるのではないでしょうか??

竹村教授がすべて正解かどうかわかりませんが
橋下市長の何千倍はプロです。
なんで新聞のあおり報道をもとに市民の苦悩を切って捨てたんでしょうか。
軽率だったのではありませんか。
苦しみに向き合うべきだったのではありませんか。
大阪市の環境汚染はどうでもいいのでしょうか。


市民の不安はどうなりますか?

それにしても大メディアもわざわざ大阪のがれき焼却が始まる前後に
PM2・5について大々的に騒ぎ環境省も大騒ぎしたのか。
10年前から問題だったのに。
しかも冬は中国からのは少ないのに。おかしいねえ。

まさか政府や大メディアのあおりを橋下さんは真に受けてたの?
でも2月1日、2日のPM2・5の観測データは真っ赤っかです。


中国の大気汚染の寄与が少ないとしたら
あとは天候と何らかの大阪近辺の排出増なんでしょうね。

ちょうどこの日から瓦礫を焼いていますがどうなんでしょうか。
ちなみに環境学者の関口鉄夫さんはこういっていますが
これが杞憂であればいいのですが・・

これらの測定は最も燃焼が安定しているときに測定することになっています。ばいじんやダイオキシン類のデータは年間操業日数×24時間(間歇炉なら16時間)の最も燃焼状態の良い、たった4時間程度のスポット(瞬間)データです。焼却炉は立ち上がり・立下り、埋火時に大量のばいじんが発生しますが、そのときの排出ガスの状態を示すデータは測定されません。
http://fukushima-health-survey-project.info/2012/03/09/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%81%AB%E6%B1%9A%E6%9F%93%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E5%87%A6%E7%90%86%E3%81%AE%E6%9D%A1%E4%BB%B6/

大阪市大阪府は大気汚染防止の観点から早急に取り組んでほしいですね。
橋下さんは新聞を読まず、きちんと大気汚染に詳しい先生方と
話をしてみてほしいですね。



竹村准教授のページ。
SPRINTARSホームページ

SPRINTARS (Spectral Radiation-Transport Model for Aerosol Species) は,大気浮遊粒子状物質エアロゾル)による気候システムへの影響及び大気汚染の状況を地球規模でシミュレートするために開発された数値モデルです。