2009-12-05 わからんはなし2 彼はやはり元々狂っていたのではないだろうか。どこがか。それは彼にはわからなかった。今もわからないのだろう。狂っているというより、どこまでも突き抜けていきたい欲動があるのではないだろうか。 考えすぎて考えすぎて来た道を見失う時、しかし見失ってもしょうがないと思えるとき、そこにやっと狂った彼の生きる道があらわれたのだ。それまで彼は死んだも同然であった。