細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

布村さんの素敵な文章を絶賛してみる

http://www.haizara.net/~kirita/nunomura/essei/shini.html


上記リンクの詩人の布村浩一さんの散文を読みました。私も詩を書いているので一時は詩はマイナー分野であるとか儲からないからダメだとか考えたこともありました。けど、たぶんそれは単なる愚痴だったのだなと布村さんの散文を読んで我が意を得た気がしました。

だって文句を言いながら現状認識を狂わすくらいなら、自分自身が健やかで、自分自身の作品をよくしていくくらいが良いし、それが出来るか出来ないかで一生が終わってしまう。ひとりの人の命ってどれくらいの長さなのだろうか。目の前の氷壁をボールペンで傷つけて避難場所を作ったという山岳遭難のニュースを今日見ました。精一杯でやっても、相棒の逃げ込む穴までは作れず相棒は亡くなっちゃったのですよ。その方の悔しさは計り知れないです。

どうして布村さんの文章はこんなに風通しが良いのだろう。様々な嫉妬や否定に貫かれている世界の中で、布村さんの散文は正確に何か良い方向を射抜いているようではないですか。これは詩のみならずあらゆる業界に言えるかもしれない。製作や活動の本質は、おそらく非常に悠久の時間の中で一人の人間やその周囲で何が交わされ作られるかという非常に脆く尊いものでできているように思うときがあります。そうおおげさながら思いました。