細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

放射能汚染廃棄物を試験焼却していた宮城県仙南クリーンセンターで、空間線量の急上昇が発覚。行政サイドは線量上昇の原因について予断を持たず調査すべき。試験焼却の暫時中止も検討すべきではないか。

汚染廃棄物の試験焼却 仙南クリーンセンター周辺の空間線量が一時基準値超す(0.6マイクロシーベルト)、環境省は異常値表示は機器の不具合で試験焼却が原因ではないと~ https://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/bf15f63f291c3cdb0b1b447f269c8603

「さっそく、環境省が「宮城県内のモニタリングポストの異常値は、8,000Bq/kg以下の農林業系廃棄物の試験焼却が原因ではありません」とプレスリリース、、、

素早い対応の連係プレーはいいとしても、さいしょっから、、「8,000Bq/kg以下の農林業系廃棄物の試験焼却を原因として実際に空間放射線量が上昇したものではないことは明らかです。」と決めつけていては、何か問題があったときに、みえるべきものがみえてこない、、、なんのための測定かわからない、、ましてや、、、周辺の他のポイントは低いので、ひとつだけ高い値は機器の故障というのでは、複数の測定の意味がない、環境省の言い分は非常におかしい、、、、、

異常値はすべて機器の故障のせいにするのではモニタリングポスト設置の意味がない、、、」

私もこのブログの方の意見に共感する。

なぜ、いきなり計器故障のせいにするのか。

初めから決めつけるのではなく、実際に空間線量が上昇したかもしれず、その線でも検証してもらいたい。機器がちゃんと働いて放射線量の上昇を検知したかもしれない。 初めから機器の故障と決めつけるのは行政サイドが放射性物質が飛散するはずはないという99.9パーセントフィルター除去というカタログ効率を頭から信じて疑わないからではないか。 様々な事情で、除去し損ねたり、フィルターがそこまで機能しない可能性を考えていないのではないか。

何のために宮城県議会で、国側の大迫氏だけでなく、バグフィルターの除塵性能が完璧ではないと、実証的に明らかにした岩見億丈氏を呼んで証言させたのだろうか。

岩見億丈氏の参考人質疑 会議録 宮城県議会 環境生活農林水産委員会 2017年2月5日(日曜日) http://blog.canpan.info/renn/img/EFBC91EFBC97EFBC90EFBC92EFBC90EFBC95E38080E792B0E5A283E7949FE6B4BBE8BEB2E69E97E6B0B4E794A3E5A794E593A1E4BC9AE38080E5B2A9E8A68BE58484E4B888E6B08FE381AEE58F82E88083E4BABAE8B3AAE79691.docx

確かに25日以降汚染廃棄物を燃やしていない。

しかし300メートル地点なら25日までの汚染廃棄物の焼却の際、フィルターが除去し損ねた微粒子が地表に降下し、風がそれを巻き上げて、空間線量を押し上げる可能性はゼロではない。 あとから職員が計ると気象条件の変化などで線量が低かったのかもしれない。

むろんこれは推測であり、仮説である。

しかし住民の安全を宮城県角田市の行政は考えてほしい。 機器の故障と頭から即断するのでなく、機器の故障の場合と実際に線量上昇があった場合と2つの線で検証して、はじめて、原因がわかるはずだ。

単に煽りたくて言うのではない。

ちゃんと調べて欲しい。

科学は実際の現象がなぜ起きたか、物証や数値的変化からつかむものだ。

もしモニタリングポストが故障したならいつからなのか?焼却中は計れていたか? 機器の計測履歴などを精査すべきだ。

もし計れていない時期が長ければ、これはモニタリングポストが役に立っていないことになる。

また、もし実際に空間線量が上昇したなら原因は何か?放射性微粒子が地表にどれくらい落ちているか調べてみるべきだろう。 空間線量だけではなく、煙突から飛散して降下した汚染微粒子のベクレル量を周辺の地表面などを削り取り確かめるべきだ。 なぜなら、空間線量は大まかな指標にしかならず、詳しくは放射性微粒子を捕捉して、その降下量、成分、核種、放射性濃度を見るしかないからだ。

放射性粒子が飛散する福島第1原発事故現場では、放射能管理と作業員被ばくを防ぐために、ダストモニタが設けられ、上昇した場合、警戒や注意をしている。 これは、法律や指示によるもので、無根拠ではない。

そもそも宮城県内では、放射能汚染廃棄物の一斉焼却に慎重や反対の自治体や住民の声が強かった。 そのため宮城県議会では、昨年焼却は大丈夫という国側の専門家の大迫氏と、岩手県宮古市での焼却で周辺の汚染を確認し、バグフィルター除塵性能に疑義があるとした医師で廃棄物資源循環学会の岩見億丈氏を参考人承知した。

にもかかわらず宮城県宮城県に同調する自治体が試験焼却までこぎつけてしまった。

私自身は汚染廃棄物の焼却に反対の意見を持っている。 しかし反対賛成を超えて、今回は線量上昇の原因を究明し、処理について一度立ち止まって考えることも必要ではないか。 汚染廃棄物は、自治体や住民が生み出したものではない。東京電力原発の事故による放射能汚染が原因だ。

その廃棄物問題について東京電力は当事者としてどう考えているかほとんど聞こえない。 本来なら頑丈な施設を作り安全に保管するためお金を出すのは、東京電力の責任と思えてならない。 しかし東京電力の責任を強く問わないように、国環境省は、放射能汚染廃棄物の一般廃棄物化を推奨する放射能汚染対処特措法を作ったのかもしれない。

ともあれこの事件、周辺の住民は心配だと思う。 繰り返すが具体的に何が起きたか検証が必要だと思う。 個人的には「試験焼却」と言いながら、実際に実験施設ではなく一般環境 で実機で燃やすことに甚だ違和感がある。「試験焼却」は行政が住民からの批判をかわすために編み出した用語だと思う。 しかしながら「試験」というなら、計器の数値上昇が見られたのだから、丁寧に検証してほしい。 まず焼却の暫定中止して検証してはどうだろうか。

<汚染廃>仙南・試験焼却、一部の空間線量が一時基準値超す 機器故障か | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180330_13039.html

「宮城 <汚染廃>仙南・試験焼却、一部の空間線量が一時基準値超す 機器故障か 2018年03月30日 金曜日  東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物を巡り、試験焼却が行われている仙南クリーンセンター(角田市)近くのモニタリングポストで29日、空間線量が一時、基準値(1時間当たり0.23マイクロシーベルト)を超えた。機器の故障の可能性があるという。  センターから約300メートル離れたモニタリングポストで午前中、0.6マイクロシーベルトを計測した。試験焼却を実施する仙南地域広域行政事務組合が同じ地点で計測すると基準値以下だった。他のモニタリングポスト9カ所でも基準値を下回った。  試験焼却全6工程のうち1工程目が20~24日に実施され、25日以降は汚染廃棄物を燃やしていなかった。」