細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】たった一人の革命が本当の他者をうむのだから

僕は助けてほしい

僕は孤独でやりたいことがわからない

 

僕も人間の真剣さなんて知らなかった

人間の真剣さは戦略や能力とも

美しさとも関係ない

運動は練習をすればあるいはできるようになるかもしれない

勉強はがんばれば少しは成績が良くなるかもしれない

あるいはがんばってもがんばらなくてもできないということもある

かもしれない

 

だけど

「人間であること」は誰にでも

同じように等しく求められている

 

あなたは頑張れとかこうしろとか○○さんと仲良くしなさい

といわれたかもしれない

命令はいやだったろう むろん命令なんて聞かなくていいのだ

けれども

「あなたは人間として真剣に生きなさい」という

誰が発しているのでもない命令にはただ人間であることの尊さへの促しだけがあり

あなたはあなたの輪郭や「定義」ははっきりしなければならない

誰かが

それをあなたに伝えてきたら

あなたはそれを命令と思うかもしれない

ちがうのだ

僕は酔いどれの男や障害者の仲間から

僕の「人間としての」あり方を問われた

 

何年も苦しみ

僕はその苦しみから

病んだけれども

僕は苦しんだことで

人間になるきっかけを

失わなかったのだと思っている

 

僕の友や好きな人が

「人間であること」がうまくいかなくて

毎日をまるで地に足がつかないように

ふわふわと生きて

愛想笑いをしたり

冷たいしぐさをしているとき

あなたにも

人間になってほしい

人間に出会ってほしいのだと

思う

 

僕はあなたにそれだけを伝えに来た

僕は本当に苦しんでいるから

あなたの助けを待っているし

あなたの厳しい声や温かい声を求めている

僕はそれをしてほしいために

あなたが人間であってほしいと思っている

人間であることは

誰かの家族や

誰かの恋人や

誰かの社員や

誰かの何かであることを離れて

たった一人であることだ

 

だから僕はずっとたった一人で

あなたの助けを待っていたのかもしれない

 

本当に正義とか善というものがあるとしたら

あなたは群れや仲間や家族との関係ではなく

あなた自身という絶対的な自分として

もう一人の絶対的な自分である僕は

彼や彼女に出会わねばならない

 

もしそれができるようになったら

一人の革命は始まる

そしてそのことを呼びかけあう

肝心なことはそこにしかない

 

だから僕は友という同志を求めている

本当に本当のつながりが何かずっと

探している

 

僕もあなたも誰もがその途上の旅人であり

その事実からけしてめをそらしては

ならないのです