細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

政府は除染帰還政策のミスを謝罪し被災者避難者支援に本腰を!原子力国策の失敗を認めてくださいー石原「金目」発言からみえたもの


石原大臣の失言問題。
むろん、石原大臣の職務にたいする責任感は以前から希薄ですし人権感覚も希薄です。
ですから、石原大臣の進退問題に発展しますし、安倍総理任命責任も問われるべきです。

ただ、石原大臣の背景には私が昨日のブログにかいたように政府が推し進めてきたゼネコン中心の除染政策と、住民合意をはからず勝手に放射能に危険が少ないことにして、移住の選択肢を示さないで帰還を迫る政策の破綻があるように感じています。

石原環境相「最後は金めで しょ」と発言 6月16日 22時31分

福島県内の除染で出た土などを保管する中間 貯蔵施設の建設を巡り、石原環境大臣は16 日午後、記者団に対し、「最後は金めで しょ」などと述べました。 この発言について、石原大臣は、このあと、 住民に対する土地などの補償額を念頭に「最 後はお金の話になるが、今は示すことができ ないという意味で話した」と説明しました。

国は、県と2つの町の了解を前提に中間貯蔵 施設を建設し、来年1月から除染で出た土な どを搬入することを目指していて、自治体や 住民の理解を得られるかが焦点になっていま す。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140616/k10015266911000.html

ひとつは除染をすればするほど、広大な処分場所が必要になります。さらに除染は危険な被曝労働です。
これらの限界に目をつぶり政府はゼネコンに税金を大量投下してきました。
ふるさとに帰れるように除染をしてほしいという考えは権利回復や気持ちとしてよくわかります。

ただ、それによって政府がゼネコンや土木関連に大量に税金を投下しているという公共事業がよいのかどうか日本の市民は落ち着いて見つめ直すべきです。
また政府は除染基準をころころ変えています。
政策的な一貫性がありません。
今のように県内に住む子どもに甲状腺がんがあらわれています。このような子どもの未来にこそ、つまり医療や保養や移住にこそ、予算を回すことも復興支援ですね。
こちらは政府はやらない。このようなアンバランスな政策展開をしているのが政府であり、環境省です。

次の問題は、帰還を進めてきた政府がいま矛盾にぶつかっているということです。
大熊などの福島第一のすぐそばに、中間貯蔵施設をつくるとする。
すると、帰還できるはずと考えてきた住民は戸惑います。
政府は安倍総理が「健康被害は起きない。アンダーコントロール」といった手前、この住民の希望を否定できません。

しかしそれでは、中間貯蔵施設は建設できません。
福島県以外の宮城や栃木や千葉でも除染廃棄物中間貯蔵施設の選定は難航しています。
つまり、福島だけでなく、県外も放射性廃棄物の処理場所はないのです。

環境省は、そこで、除染廃棄物を燃やして小さくして、中間貯蔵施設の大きさを小さくしたいと考えました。
しかし、そうすると焼却灰の放射性濃度は高まり、放射能は大気にわずかずつでも放出され、地域住民の懸念が出ます。まさか、環境省セシウムは99%取れるという言葉を無邪気に信じている人以外はなかなか信じがたい。
また煙突から排出される微粒子は、フィルターで補足できる大きさの微粒子よりも、さらに小さく、重量はきわめて軽いのですがナノ粒子やPM2.5の研究から科学的に明らかなのですが毒性は高くなります。だから例えば90%以上がとれていても重量からみれば軽い粒子が出ていれば何の意味もありません。
ですからアメリカの環境保護庁はPM2.5の規制を強めています。
世界の潮流から見れば高濃度放射性廃棄物を大量に燃やすことは実績も少なく、チェルノブイリ地域でも一番恐れられているのは山火事です。

話がそれましたが放射性廃棄物を燃やしてそれを埋設するというかなり前代未聞なやり方で環境は、中間貯蔵施設の大きさを小さくしたいと考え、またそうして除染をとりあえずしてかえってもらおうとしましたが、
住民は、「本当に帰れるなら中間貯蔵施設は受け入れがたい」
「悔しいが帰れないなら補償をしていただきたい」という二つの声に分かれました。
この間のグレーゾーンのかたも多数いるでしょう。
そして大熊町の説明会では、地元区長が、井戸川前町長の鼻血発言を受けて、地元でも鼻血の話はよく聞く、と暴露し、内閣府の役人が凍りつく場面がありました。これは木野龍逸記者が報告しています。
そして放射線が危険ならば、しばらく帰還は無理です。


チェルノブイリ30キロゾーンは、28年たっても、帰還宣言したという話は聞きません。30キロ以外のたくさんの村も危険を察知した住民が離れ廃村になった場所がたくさんありますし、チェルノブイリでは、1ミリシーベルトを下回らない限り移住支援が受けられます。

政府は帰還ができないと認めると連鎖的に移住を認めなければならなくなり、ゼネコンや東電にではなく避難者や被災者に予算を当てねばならなくなります。

すると政府や東電は事故責任を明確化し謝罪せねばならず、原子力の継続は完全に不可能になります。
これは国策の敗北を意味します。

なので、政府は30年後には福島県外に、中間貯蔵施設を移転する口約束をはじめました。
地元住民も、自分たちでも無理なものの引き受けてはないのではないかと政府説明会で質問しました。

そこで石原大臣はPCBを処理する政府系の特別会社JESCO日本環境安全事業株式会社への関連法を改正し、PCBだけでなく、放射性廃棄物を全国処理できる方策を考えだし、福島の地方紙や環境ジャーナリストに、それはいくらなんでもむちゃくちゃであると批判をされています。

その果てに「最後は金目」 発言が出ました。
政府は潔く現在の除染帰還政策が破綻していることを認め、被災者や自主を含めた避難者の健康、生活、移住、住宅支援に重点的に予算配分すべきです。
またこれだけの事態になる原子力政策の敗北を認め原子力から足をあらうべきです。

集団的自衛権についても批判はたくさんあります。
政府は、放射能汚染政策全般と集団的自衛権について、
非を認めて、早くいま必要な議論をさせてください。