細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

大阪市に瓦礫が運ばれてくる宮古の市議会でのがれきの議論にびっくり

岩手県宮古市議会 平成24年  9月 定例会-09月19日−03号

苫小牧が木質がれきを欲しがってきたのだが、それは地元の宮古でできるからいいじゃないか、しかしいったい宮古の木質がれきはどれだけあるのか市長はわかって苫小牧に約束しようとしていたのかという話がすでに出ている。宮古市長は県などに慮っているように見える。

「◆11番(田中尚君) いや、非常に妙なお話になってきております。現地のほうでは、宮古市からのリサイクルに役立つ優良な木質系の廃棄物をいただきたいということで宮古に来たわけです。広域行政組合に来たわけじゃないんです。宮古の山本市長に、宮古市の復旧・復興に役立つためにということで、わざわざ記者会見までして、何か昼食の席ではちょっと余計な話まで出たそうですが、それは本筋と関係ないですので、私はそれには触れませんが、そういう中身であります。ですから、客観的に見て、宮古市のリサイクル可能な木質系瓦れきということになりますと、私の理解ではあそこしかないです。民間の社長さんたちもそういう理解であります。だから、何で宮古が欲しがっているのに、苫小牧にわざわざ船舶運賃までかけて運び出すんだと、これ当然じゃないですか。だから私は問題にしたんです。地元で処理がとても足りない、ぜひ同じような処理が可能なよそでというんだったら、まだわかります。違ったんです、あの段階では。だから、市長、今、あなたがごまかそうとしていますけれども、宮古広域だけでなくて、岩手県沿岸全体の木質系廃棄物を想定していたんだなんていうのは、それはちょっとやっぱり私の理解とも違いますし、事実に即して考えても、それは客観的に見たら、やっぱり違うというふうに判断するのが私は無理がないと思うんですよ。岩手県内で、県に災害廃棄物を委託をしていない市町村が2つあります。大船渡市と釜石市だけであります。宮古市は初めから、これはもうとても手に余す、処理できないということで県に委託をする、ただし、宮古市の意向がちゃんと反映するようにします、みんなそれで賛成したんじゃないですか。だから何回も私は聞いているんです。検討がどうのこうのというのは、市長が先ほどお話をしたような意味で、私は何回も使ってきたためしはありませんし、そうであれば、ぜひ会議記録を私に出して、田中議員、このとおりだと、あんたちょっとしつこいんじゃないの、何回私が答えたらわかるの、一向に言っていただいて構いません。
 そこで、どうでしょう、私のこの問題については、市長は、宮古市にはなかったんだけれども、被災を受けた岩手県沿岸の木質を集めようと思っていたと、そういう答弁を肯定しますか。それはごまかし答弁じゃないですか。もう一度確認します。
○議長(前川昌登君) 山本市長。
◎市長(山本正徳君) 私は本当のこと言っているので、何もごまかしているわけではないです。それをごまかしているんじゃないかなというのも、ちょっと私はやはり発言も考えてほしいなというふうに思います。
 全体で木質系の瓦れきならば、引き取って処理してもいいという話で、これは契約をさせていただいたというふうに私は認識をしております。その時点におきましては、宮古市内にも木質系の瓦れきはありましたし、それから、この周辺にも木質系の瓦れきがありましたので、確かに広域行政組合の中にもありました。ですので、広域行政組合だけを指して、それを向こうに運ぼうとかという気持ちは全く私にはありませんでしたので、それは誤解のないようにお願いをしたいということでございます。
○議長(前川昌登君) 田中尚君。
◆11番(田中尚君) 全体という表現をどう理解するかでありますけれども、市長が広域行政組合のことですら、宮古市の一存では物事が決まらないという意味のお答えをしました。であるならばなおさらのこと、例えば釜石、大槌あるいは陸前高田大船渡、そちらのほうの木質系の廃棄物まで市長が想定したとは思えません。そういう理解でよろしいですね。そういうことになりますよね。そうすると、やっぱり市長が答弁する、あるいは答弁を想定した際の木質系廃棄物がどこにあって、その量となる根拠はどこに置いてあるんだということの認識がないまま、とても答弁したと私思えないんです。その木質系の廃棄物がどこそこに幾ら、どこそこに幾ら、それを宮古でこれくらい、それから北海道に運び出すのはこれくらい、それぐらい認識がなかったら、契約というか、できないでしょう、お願いできないでしょう。そこはどこだったんですかと聞いているんですよ。そこの答弁があいまいだから、ちょっとこうやりとりになっていますので、もう一度そこを明確にお願いします。」
http://www3.city.miyako.iwate.jp/discuss/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?USR=webusr&PWD&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S=15&Y=%95%BD%90%AC24%94N&B=-1&T=0&T0=70&O=1&P1&P2&P3&P=1&K=3&N=8&W1=%94p%8A%FC%95%A8%8F%88%97%9D&W2&W3&W4&DU=1&WDT=1


岩手県宮古市議会 平成24年  6月 定例会-06月20日−04号

森の防潮堤構想は市長も前向きで、議員も広域処理よりは瓦礫防潮林をという話をしている。

「◆12番(橋本久夫君) 25年度ですよね。26年3月までですよね。ですから、26年3月まで本当にできれば、それにこしたことはないんですが。
 ただ、一方ではいろんな自治体もあって、別に早くする必要はないんだ、20年、30年かけてもこの瓦れきを資源として利用して雇用を生む、そういう資源として活用したいという首長さんも被災地の中にはいるようですけれども、それぞれ自治体の考え方あってよろしいかと思うんですが、宮古市の場合はそういうふうに決めて処理を進めているという状況の中で、やはり私とすれば追いつかない状況、本当に追いつけばそれにこしたことはないんですが、やはり地域としてこの瓦れきの処理も先ほどの緑の防潮堤という考え方に結びつくんですが、そういうふうな埋め立てに持っていきながらもみずからもその処理をする。実は、これは水門とか防潮堤とかそういったときに絡めて、このことも話ししたつもりではあるんですが、なかなか具体的にこうなんだよということを説明できないままに、この時期になっているんですけれども。
 改めて緑の防潮堤をつくると言っても、今の県の動向ではもう大体の方向性が示されていますし、先ほどの質問でも田老はこういうふうになるんだとかというお話があったわけなんですが、ただこれからその将来をやっぱり見据えて考えていくときに、やっぱり私は全部コンクリートを否定しているわけでないんですけれども、防潮堤で守るべきところ、それからここは別に防潮堤がなくてもいいところ、それと自然といろんな景観とかんがみて、その防潮堤をどうしたらいいかというやっぱりゾーニングみたいな部分で、この防潮堤のあり方を考えていけばよかったのかな、復興していく中でそういう議論もあってよかったのかな。だから、港湾とか漁港とかやはり守る、重点的に守るべきところは、これはやっぱりコンクリート防潮堤でその基準にマッチしたものでつくっていかなければならないと思うんですけれども、やはり自然や景観に配慮しつつ防潮堤が必要な場所だって絶対あると思います。
 回答いただいたところには、非常に幅の問題とかいろんな土地の問題とかということで答弁いただきましたんですけれども、いずれ全部が全部やれということでなくて、私はこの「鎮魂の森」、この緑の防潮堤をつくることによって宮古市のこれからのまちづくりの中でどう考えていくか、こういった方法によって地域をどうつくっていくかというのも大事な視点の一つなんではないかなと思っているわけです。
 ですから、未来志向になって全部コンクリートだけで固めて本当に堅牢な、そういう力ずくで守っていく宮古市をつくっていくのか、それとも自然と共生してしなやかに自然と対峙して、そして物は壊れても人が壊れない町、そして緩やかに自然が再生できていく町、そういったものの考え方としてこの森の防潮堤、それを、なおかつ瓦れきを活用することによって実現できるんではないかなという思いで提案をさせていただいたわけです。
 実際、大槌のほうにもちょっと足を運んで行ってみました。あそこは、まだ短い区間で小鎚川のところにつくってはいたんですけれども、最終的には小高いマウンドができて10mの土地本来の深根性の深い樹木を植えて、鎮魂の森公園として整備していくということになっています。だから、あの辺一体が非常にそういう防潮堤の役割をしながら人々のまた憩いの場でありますし、あと散策する場、そういったものの整備を最終的に行っていく、時間をかけても行っていくという考え方で進めておりましたので、何とか宮古市としても、どこかにそういう場所を、これでつくれないものなのかどうなのかということの思いがあるんですが、その辺はいかがでしょうか。
○議長(前川昌登君) 山本市長。
◎市長(山本正徳君) 理想とすれば私も橋本議員と同じように、防波堤というよりはやはり「森・川・海」と共生する安らぎのまちというふうにうたっているわけなので、そういう方向には行きたいのですが、今現実その水辺に人が住んでいるので、やはりそこの安全性をもつためにまず防潮堤は必要だろうと。ただ、橋本議員が言うように、どこかにそういうものをつくるとするならば、もし橋本議員ならばここに、ここにつくるというような提案をぜひともしてほしいというふうに思います。私自身も、この辺にこういうのもいいんじゃないかなというようなものはありますが、まずはいろんな人がそういう部分をぜひ提案いただいて、それをみんなで考えていくのも一つの方法ではないかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(前川昌登君) 橋本久夫君。
◆12番(橋本久夫君) はい、ありがとうございます。
 私とすれば実は、ここの場所がいいんじゃないかという調査された方がいらっしゃいまして、これ宮古市の女遊戸、ああいうところの場所をこういうふうにデータ示してやっている方が実際おります。ですから、そういったデータに基づいて女遊戸でもいいだろうし、大沢海岸でもいいだろうし、後は本当に閉伊川のどこかでもいいだろうと思うんですが、やっぱりそういったところで、きっかけをつくっていただければなと私自身は思います。あと田老でも、本当は田老の一部とか、どこかでもいいとは思うんですけれども、そういう場所をやっぱり考えながら、要はこの緑の防潮堤という考え方は、宮古市の町の将来の姿まで描く部分にも私はまずつながっていくんじゃないかな。
 ですから、考え方として、これから本当に町をつくっていくときに多分行政の方々も今議論していると思うんですけれども、バックキャストという考え方がありますよね。今の考え方はフォアキャスト、要するに現状分析から出発して将来どのようになるかを考える手法なんですけれども、今のこれからの震災後のまちづくりを考えるとき、本当にきのうもいろいろおっしゃっておりました百年の大計とか、それから将来を見据える、そのビジョンというものを描く場合には、やっぱりバックキャストという考え方をもとにその将来がどうなっているべきなのか。ですから、「『森・川・海』ひとと自然が共生して安らぎがあるまち」がもうその将来のビジョンだと思うんです。そのためには、そこからそれに向かって逆算していって、そのためには何をしていくかということを、その方向性を示してみんなでつくり上げていくのがバックキャストという考え方になっていくと思うんです。
 ですから、これからはまずそういう発想に基づいて本当に力ずくではなく、やっぱり自然と共生して、何かみんなが本当に安全・安心も得ながら、その豊かさなりその自然を共有しながらという町が将来的にできていけばいいのかな。ですから、そのきっかけとしてこの緑の防潮堤が1つあってもいいと思います。それと同時に私はこの対立を超える、本当に反対の人たちがああいうふうに騒いでいる中で、いや、現地はこうなんだよ、こうやってみんなでやっているんだよ、あなた方も一緒になって、じゃ宮古市を再生するために一緒になって木を植えていきましょう、そういう活動の入り口にもなればいいと思います。
 ですから、宮古市の森づくり、百年の森づくりをやっていますよね。あと96年かかるわけなんですけれども、本当にそういう発想で、100年後の宮古市をバックキャストという考え方でつくっていけば、こういうような防潮堤の問題もいろんな形で見えてくるんじゃないかなと私は思いますので、そういう考え方も、これからのまちづくりの中にぜひ取り入れていただきたいと思いますし、私は決まってもいろいろとこういうのは言い続けていきたいなと思っておりますので、どうぞ了承ください。」

ということは朝日新聞宮古支局長の話はやはり本当だったのではないか。
http://www.asahi.com/national/intro_m2/TKY201205180461.html
広瀬知事のいう震災ガレキ広域処理の根拠がなくなった : 小坂正則の個人ブログ

震災がれき広域処理にこだわるな
朝日新聞5月19日 ■伊藤智章(岩手・宮古支局長)

震災がれきの広域処理に疑問がある。膨大な運搬費用をかけ、放射能汚染を心配する地域住民と摩擦を起こしてまで急ぐ必要があるのか。
 朝日新聞宮古支局から1キロの宮古港にも、がれきの山がある。昨年11月、東京都への運び出しが始まった。がれきの放射線量は東京の方が高いこともあるのに、反対する人たちがいる。それに比べ、「さすがは剛腕都知事」と最初は感心した。
 でも、東京に搬出するのに1トン当たり処理費4万4千円に加え、輸送費が1万5千円かかると知って考え込んだ。北海道、北陸などへ搬出すれば、さらに輸送費はかさむ。それでいいのか?
 何しろ、県外搬出予定量は岩手が57万トン、宮城は344万トンにのぼるのだ。地元処理分を含めて、経費は全額国費負担。国は2年でまず1兆円を用意している。
 環境省は「岩手はふだんの11年分、宮城は19年分ある。目標の『3年以内の処理』には広域協力が不可欠」と説明する。でも、リサイクルに回すなどしており、岩手でいえば処理が必要なのは半分以下。しかも、被災地も仮設炉などで能力を増強しており、県外に頼む必要があるのはその一部だけだ。
 3年にこだわらず、国費負担を1、2年延長すれば、県外に頼まなくても処理できる計算だ。量の多い宮城県石巻市などは、例外的に集中して広域支援すればいい。
 置き場のグラウンドや港湾の利用が制約されるというが、被災地は広大だ。阪神大震災では3年以内に処理したが、都市部と同列に考えなくてもいいはずだ。「がれきの山をみることで被災者が傷つく」という説明も聴くが、少なくとも私は現場でそういう人に会ったことがない。
 岩手県の岩泉町長や田野畑村長は「ゆっくり地元で処理し、雇用や経済に貢献してほしい」と私に話したが、現状は県が仕切り、首長の意向を反映する余地はない。
 両町村計13万トンのがれきをすべて東京に運べば、運搬費だけで20億円。同村の一般会計の3分の2に当たる規模だ。処理速度を上げるため、大手業者などによる巨大な分別プラントが稼働している。これも期限を延ばせば、もっと地元が参入できるだろう。
 仮設住宅の建設も急ぐあまり、国が費用を持ち、県が発注したところ、断熱材不足など不具合が続出した。がれき処理も同じ構図だ。現場から離れた判断を懸念する。

半年前だが問題の構図は変わっていないどころか
瓦礫の量は減少し続けている。
西日本で唯一宮城の瓦礫を引き受けいていた北九州市
瓦礫が減ったこと(と実は輸送費が大きすぎることを批判され)が原因で
本年3月をめどに受け入れを打ち切る。

県は昨年7月時点で、石巻市周辺の可燃性がれきを約141万トンと見込んでいた。しかし、13年度の予算編成に向け精査したところ、土砂の割合が想定以上に多いことや、がれきになると見込んだ解体家屋が修復で済む家も多いことがわかり、昨年12月、推計量を約51万トン少ない約90万トンに修正した。北九州市と東京都、茨城県の3自治体に委託している計約11万トンを3月までに処理できれば、残る約79万トンは石巻市の仮設焼却炉など県内の施設で全て処理できる見通しが立ったという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130111-00000035-mailo-l04

広域処理は環境省を仲立ちに、被災県庁と他の受け入れ自治体が瓦礫を渡しあっていて、そこに双方の市民や被災市町村の声は不在なのではないか。