細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

今日は

デイケアに行った。最近なんとなくしっくり来ない感じがあったが、今日はエアロビクスの先生が来るので行った。有酸素運動は独特な快感がある。しかしデイの人で調子を崩して処置を受けている人がいて心配だった。どうも根を詰めて、作業所に行き過ぎたようであった。
僕も実は、社会福祉士の受験勉強で、肩こりや緊張がひどくなった。しかし少しずつマシになっている。集中する、根を詰めるというのは人間にとって欠くべからざる要素である。しかし、その体制が体の中でうまく調整できないと、それが桎梏となって自分を苦しめる。つまり僕の場合も受験が終わっても強い緊張状態のモードが体の中に残っていたのだ。

だから狩りでもなんでもそうだが、負荷を長時間かけ続けてはいけない。100メートル競争の調子で、気付いたら1キロ走っている。それでは身体がボロボロになる。それと同じだ。
それが中枢神経系の、ある局面での制御不能を生む。
精神疾患は様々な見えない要素が積もっておそらく病気の素地ができるわけだが、そこまで追い込まれ、自らを追い込んでいる状態で発生することはまちがいないだろう。そういう傾向を今の社会は強くもっている。だから就労とかひきこもりのことは地獄の一丁目みたいなところがある。数多くの躓きと困難があるわけだ。もちろんかつての社会もそのようなことは山ほどあったが。

ほどほどに手を抜くことができる人がどの程度いるか、僕は疑わしいと思う。生活習慣病とよばれるものの、現代型の発生機序も、まず寿命が伸びたことで、かつての生き方では身体の傷みかたが激しすぎる、しかし治療できるから生きられるところで起きるのではないかと邪推する。つまりかつては100メートルを走る速度で100メートル走ったものが、100メートルの勢いで300メートルくらい走る具合のような。生き方のペースやベースを変えなくてはならないはずだ。

こういう事情をレヴィナスは世界は「禍悪」であると呼んだのではないかと思う。

それはともかく、昨日は正直に今の社会は僕にはきついですと医師に告白した私であるが、そういうと医師も同意していたのだが。(まあ先生は確かにあなたは文章を書いたりするほうが向いているかもしれませんという形でやんわりとではあるが。同時に就労支援の話もしていただたのだが)

ただ制御不能にならないで、人生を楽しみたい。軽躁状態や思考混乱の状態で、人生を楽しむ感じはあまりない。

しかし何もかもが人のせいではない。人に教わって、人に伝えながらやっていくしかない。僕は深層ではこの世界を相当呪っているみたいな感じがするのだが、そういう僕でもどこかでのほほんとしているというか太平楽な世間知らずな要素があり、それが自分を救っているようにも思う。なかなか呪いや、屈折だけでは詩は書けない。エクリチュール(書いたもの)は呪いの糸ばかりではない。呪いを表明するのも立派にこの世界の存在への橋かけである。

しかし呪いだけでなく肯定や、盲目な部分も渾然としているから人間存在は不思議である。
デイケアケースワーカーは、僕に「精神疾患者の就労に関するセミナー」みたいなものを今度紹介してくれるらしいが、自分のように偏屈で気難しい人間にとり、それがどのように作用するか様子を見てみようと思う。そういうのは勘弁してくれという思いと、聴いてみようかなという気持ちが両方ある。まあそういう感じで、いくるべか。

   
              *


映画「剱岳」には立山信仰の話が出てくるのをいうのを忘れていた。文字の歴史では大伴家持が詠ったのがはじまり。その峻険さ、威厳からおそらく古くから霊的な山として崇められていた。その爆発や活動の威力から地獄的な位置にある山とみられているらしい。
立山連峰自体が密教における曼荼羅として見立てられている。「立山曼荼羅」があり、それを解説する人がおりそれを聴くことも功徳らしい。そのシーンもある。そこには血の池地獄も、針の山もあり、剱岳は「針の山」である。うまく見立てたものである。また山といえばかつて女人禁制ながら、女性がどう成仏するかという説話があるので女性に人気があったらしい。
マタギが熊を撃つシーンがあるが、熊は神的な存在で、この映画では雷鳥や、鹿や鷹など、実は立山山岳信仰とからむ様々な動物が出てくる。そこも実はたのしみどころなのかもしれぬ。

立山博物館」の学芸員が書いた詳しい解説ページは半分しか読んでいない(一番詳しいがかなり長い。しかし図や写真は豊富)が、ウィキペディア富山県のページは見た。
立山修験 - Wikipedia
http://www.pref.toyama.jp/branches/3043/tate/w-b.htm
Page ON/サービス終了のお知らせ