細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ほんとうはほんとうにほんとうのところ

ほ んの小さなとき 私はほんとうのことを 話そうとして 現実を見失ったままなのだろう

ほんとうを話そうとして 親や友だちの前に立ったとき 失敗したと思ったのだろうか 失敗とは何なのか

ことしも 雪が降るの かな ことしも来年になるの かな いつからこんなに むずかしいの かな 話そうとして 私は 私の中に 空っぽを みつける

空っぽです 空っぽが私です 抱きしめられた場所に 私は空っぽです

空き地に草も生えませぬ 乾いているからです いつか見た花火 空き缶

砂に 絵を描きました 砂を こすりました 砂は ただ在りました 今は 埋められました

ほんとうとつぶやいて ハタチの私は 倒れました 空がくるくる回り 透き通った 涙が 流れてゆきます

ずっとそこから 時間が 滑ってゆきます 地球の表面に なんとかくっついてます

重力に頼る 重みがそこに在り 私は サンドイッチのように 知らない言葉を はさみ続けてきました 私は 分厚くなりました でも 知らない言葉だから ほんとうは ほんとうに ほんとうのところ

私はよく知らないこと ばかりです

よく知らないから 心配です カギを開けて 出かけました

とても心配です 何も忘れないように 何も持たないで

けれど けれど