細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

オバマ大統領がオスプレイに案内されて広島に降り立った日に

オバマ大統領は演説とパフォーマンスの達人ですから演説を巧みにするでしょうし、また広島の被爆地に降り立つはじめてのアメリカ大統領だということは評価します。
歴史は一歩ずつしか動かないということもわかります。

ただ、オバマ大統領はいくつかの点で非常にまずいと思います。これは日米の関係や今後の平和の追及に暗い影を落としたと思います。
オバマ大統領にのしかかるものは、つまり今の世界の戦争構造そのものです。
それはオバマ大統領のかすかな良心をはるかに上回るもの。

2つ例を挙げます。

オバマ大統領、とんでもないやり方での被爆地訪問です。今日テレビで見たらオスプレイに大統領ヘリは先導されてました。
「大統領専用ヘリ(マリーンワン)で中部国際空港に移動し、大統領専用機(エアフォースワン)に乗り換えて山口県岩国米軍基地まで向かい、そこから再びヘリで広島市内の旧広島市民球場に降り立つというのだ。」
またあんな事件が沖縄であったのに、よりによって海兵隊に訓示しているんです。

米大統領広島へ:オバマ氏発言は数分間 平和公園訪問後 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160519/k00/00e/030/210000c
「大統領が山口県岩国市にある米軍岩国基地にも立ち寄り、海兵隊員を激励する計画」

オバマ大統領は、広島の被爆地を訪問する一方、日本政府の求めで、伊勢神宮参拝したり、また、沖縄の事件にも頑なに、在日米軍基地の見直しをしようとしません。
これは安倍総理オバマ大統領が、日米同盟を揺るがせないよう合意している事実を示します。
オバマ大統領は、広島の被爆地を訪問した歴史上はじめてのアメリカ大統領の名を手に入れた一方、在日米軍を見直さない、また被爆地を本当にはあまり大切に思ってはいないということを示してしまったと思います。
これを容認したのが日本政府であり、日本社会だとなるのを、私は懸念します。
更に強く言うなら
オバマ大統領と安倍総理は、沖縄と広島という先の戦争で傷ついた場所をむしろ踏みつけている感がある。
戦後民主主義の核が一見何の変哲も無い言葉と態度で致命的に無視されています。

オバマよ、安倍よ、あなた方には自分の政治的立場、利害が大事なんだろうかとも感じます。
なんたることよ!これが職業政治家というものか。

また、私たちも沖縄と広島を守れずに来たことをシカと知ろう。
今後の世界の支配者に取り、戦争の傷跡が邪魔でしか無いという凄惨な事実を覚えておきましょう。
今日は広島という地の象徴的威力が破壊された日かもしれない。
しかし、それは、いつかくる日だったのかもしれぬ。

私たちは覚えておきましょう。
再び始め直すために。

歪みが無いものを求めているのではありません。歪みを認識するところから始めるしか無いのです。