細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

衆議院選挙真っ只中、オバマ大統領らが安倍自民党政権の経済運営の失速を指摘

経済に全く詳しくない私が少し気になったのでメモしてみます。

まずオバマ大統領。
これは全く控えめな表現ではなく深刻な懸念を表明しているように思えます。

一方で、オバマ大統領は「懸念もある。日本やヨーロッパの景気減速はアメリカの景気を後退させる可能性がある」と述べるとともに、日本のGDP=国内総生産の伸び率が2期連続のマイナスになったことを念頭に、「日本経済は安倍総理大臣をも驚かせるほどマイナス成長になっている」と指摘しました。
そのうえで、「日本は消費税率の引き上げを先送りし積極的な金融政策を追求している。しかし、長期間にわたる不況から直ちに抜け出せるかどうかは分からず、まだ対処すべき財政赤字も抱えている」として、日本経済の今後の推移を注視していく考えを示しました。

オバマ大統領「日欧の減速で米景気後退の可能性」12月4日 11時01分}
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141204/k10013709141000.html


次は日銀の元早川理事です。
ブルームバーグ。引用もとは→http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFP0206JTSEO01.html

日銀が手詰まりに陥っているという指摘です。

 11月28日(ブルームバーグ):元日本銀行理事の早川英男氏は、政府の消費増税先送りにより日銀が追加緩和を食い逃げされた結果、「インフレが起きても量的・質的緩和の出口はない。景気が悪くなっても追加緩和もできない。日銀は当事者能力を失ってしまった」と述べた。

日銀が10月31日に行った追加緩和について「黒田東彦総裁の頭の中ではやはり、消費増税の道を固める意図があったと考えないと説明がつかない」と語る。また、追加緩和で株価が上昇したことで、意図に反して「消費増税先送りの背中を押す要因になった可能性がある」と言う。

日銀が国債発行額のほぼ全額を買い入れる一方、安倍晋三首相は来年10月に予定していた消費増税の先送りを決めた。この組み合わせは、中央銀行が政府の財政資金をファイナンスするマネタイゼーションであることはもはや否定しようがなく、日銀はインフレや景気後退が発生しても、それに対応する能力を失ってしまった、と早川氏は指摘する。

消費増税に合わせて、追加緩和をした。すると株価が上がった。しかし黒田総裁の予想とは逆に総理は消費増税先送りをして、選挙に突入したという読みなのでしょう。つまり、日銀も総理によって政治利用されているということになります。
また日銀が日本政府の国債を大量に買っていることも非常に危険だと指摘されています。

なぜ危険なのでしょうか。それは日本の通貨を流通させている日銀が直接、日本政府の借金を穴埋めしていることになるからです。
もちろんマネタイゼーションではないという風に指摘する向きもあります。
マネタイゼーションの一般的な危険については以下。

一般に国債マネタイゼーションを行うと、その国の政府の財政節度を失わせると共に、中央銀行による通貨の増発に歯止めが掛らなくなって、悪性のインフレを引き起こす恐れがあり、そうなると、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も大きく損なわれるため、先進各国では、財政ファイナンスを制度的に禁止している。
現在、日本においても、「国債の市中消化の原則」と呼ばれるものがあり、国債マネタイゼーションと見なされる恐れのある、日本銀行における国債引き受けは、財政法第5条によって原則として禁止されている。ただし、金融調節の結果として保有している国債のうち、償還期限が到来したものについては、「財政法第5条(ただし書き)」の規定に基づき、国会の議決を経た金額の範囲内に限って、国による借換えに応じている。
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/japan/jap131.html

日銀の国債買受が是か非かというより角度を変えて考えてみましょう。
国債は政府が公共事業など財政政策を行うための資金源です。
これが増えるということは国の借金が増えているということです。

——アベノミクスには異次元緩和という第1の矢、国土強靭化を大義にした財政出動という第2の矢、成長戦略という第3の矢があるわけですが、全部ダメ?

 これに戦後の政治体制の改変という第4の矢が隠されている。アベノミクスはすべてを壊そうとしています。

——まず、第1の矢ですが。

 本質的には日銀の国債引き受けです。それをやらないと、予算が組めない。これ以上国債を出すと、国債金利が上がってしまうからです。金利が1%上がれば、予算編成ができなくなる。財務省の役人のクビが飛んじゃう。そこで言うことを聞く人物を日銀総裁にしたのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/solidussolidarity/38111460.html

実際に日銀は国債をどんどん引き受けています。
伊藤氏の指摘が重要なのは、安倍政権自体が財務省が予算が組めないから、それをどんどん日銀にかわせるようにしているのではないかということでこれは、安倍政権がもともと日本経済のことよりも実は財政規律ぎりぎりのところで羽振りの良い振りを続けざるを得ないという曲芸を演じていたのではないかという疑いを持たせます。

また日銀の現職の佐藤委員も日銀の国債買受を批判しています。

佐藤委員は追加緩和に反対した理由として、1)2年という特定の期限に2%との特定の物価を目指すのは、中央銀行の政策としてなじまない、2)市場から(中央銀行が財政の穴埋めを続ける)財政従属との懸念を持たれやすい、3)国債の市中発行額の9割もの買い入れは過大なため──と説明した。
http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JI0EP20141204

そうした中で、日銀が国債買い入れなど追加緩和を実施すれば、マネタイゼーション懸念1が高まるリスクがあると警告した。

早川氏は政府の成長戦略について、従来の内閣と比べて「異次元なものはない」とし、今臨時国会における「岩盤規制」の打破は見送られるとの見通しを示した。一方、来年4月の消費増税による景気への悪影響を軽減するため、政府が5兆円規模の経済対策を打ち出したことで、「第3の矢(成長戦略)がどんどんしぼみ、第2の矢(財政政策)が膨らんでいる」と指摘。アベノミクスの「3本の矢」は「財政拡張を金融緩和(第1の矢)が支え、構造改革をスルーするものへと変質しつつあるのではないか」と語った。
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE99M04L20131023


これはリフレがどうこうとか財務省が悪いとかそういう問題以前に、政府の信認にかかわる問題です。
借金を日銀が支える構造になってしまっています。

お金の集め方使い方がおかしいということです。

民主党もよくありませんでした。が今回のアベノミクス大失速に見られるようにいくつもの警告を無視して暴走してきた安倍自民党政権も大いに問題があります。

自民党政権辺野古基地問題などでもそうですが霞が関やアメリカの意向に逆らえていません。原発政策では民主党が進めたものより逆行し、武器や原発の輸出に精を出しています。

ちょっと反省していただく必要があるのではないでしょうか。

日本経済は震災原発事故以降巨大なダメージを受けています。巨額の公共投資をしました。それはがれき広域処理や復興予算のあからさまな無駄などあからさまな復興にかこつけた乱費でした。
そして、日本はまだまだ原発事故以降の傷からは回復していません。
また自然災害も頻発しています。
その中でアベノミクスを引っ提げて安倍政権は日本再生を歌いましたが現状はどうなのでしょうか。

しかし安倍政権脱原発や効果的な災害対策を進められているどころか
緩慢な災害対応や頻発する災害の中での再稼働を進めています。

そして経済失政が指摘されると麻生財務大臣はこのように中小企業や女性に責任転嫁しています。
ひどいです。

麻生太郎副総理兼財務相が7日の札幌市内での衆院選応援演説で、少子高齢化に伴う社会保障費増に関し「高齢者が悪いというようなイメージをつくっている人が多いが、子どもを産まないのが問題だ」と述べていたことが8日、分かった。6日には株高・円安なのに収益が上がらない企業は経営能力に問題があるとの趣旨の発言をしていた。

http://news.livedoor.com/article/detail/9551446/

夏にはこのような本末転倒な発言もありました。誰のための経済政策なのか思い出していただきたい。

谷垣禎一法相は18日、長野県軽井沢町で開いた谷垣グループの研修会で講演し、安倍政権が年内に判断する消費税の引き上げについて「10%にもっていけない状況になると、アベノミクスが成功しなかったとみられる」
http://www.asahi.com/articles/ASG8L5D1GG8LUTFK00T.html

経済のことはよくわからないのに差し出がましく申し上げたのはあまりにも安倍政権の経済運営のまずさが際立っているのに適切な批判がなされていないように思えるからで、しかし実際は多くの識者が批判し始めています。
今この時期に選挙を始めたのはこの時期を逃すと支持率が下がり来年改憲を進めることが困難になるからでしょう。
ご自身の野望よりも、この社会に生きる人々の平和と福祉を考えていただきたいものです。
経済政策は権力拡張の道具ではありません。