細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

田中正造痛恨の狂歌からみる100年後の福島原発事故

最近一種の空しさを感じています。
いかにきちんと調べて書いても関心のある人にしか届かず
関心のある人も疲れたりあさっての方角にいったひとがたくさんいます。

世間は放射能について語ることを自粛する人が多く
サハラ砂漠打ち水をしてるような気分になります。
疲れているのでしょう。
角度を変え、放射能以外についても見ていこうと思いました。
むかし介護の仕事をしていて燃え尽きて心身を痛めた経験からそう思いました。
原発反対や放射能防護を言わなくなるのではありません。
よく反対に飽きて体制側にいくひとがいますが、
私は事故前から命や心身を考えてきましたから
放射能が無視できるはずがないんです。
無視できると思わないでほしい。福祉や医療のひとも。

ただ、やはりずっと同じことを続けることは大変です。
で、今日は気分をかえて文学です。元々私のフィールドです。
しかしここにも環境汚染がありました。
日本は100年前から同じ間違いを繰り返していました!
100年の、いやもしかしたらそれ以前からの日本の間違いを
三年で正すのは難しい。しかし原発事故は現在進行形です。
困りました。


足尾鉱毒事件は100年前に起きた福島原発事故だったとまざまざと感じさせます。
田中が鉱毒に怒り涙し、人としての道を踏み外した世界にたいして自らもただの人として、対峙していた様子が伝わります。
田中が自らの無力に身悶えしながら、しかし戦っていた様子が伝わります。

しかし皆さん考えてほしい。
足尾よりも、イタイイタイ病の起きた神通川流域よりも福島原発事故は汚染地帯は広大です。
環境省が指定した除染地域だけで国土の3%。
それは国が指定したのだから実態は何倍もあるでしょう。
それも大量のごみは捨て場所がなく全国に不法投棄された事件もありました。
政府は汚染が低いものは抑止しません。
高いものも薄めて流通できてしまいます。
本当に食べて応援なんかでは、真面目に考えたらどうにもならないはず。


神通川についてはイタイイタイ病の調査研究をされた畑明郎先生に聞いたのでたしかなことです。

汚染がある地域について環境省は小児甲状腺ガンの多発が福島県のデータから見られるにもかかわらず、影響は少ないといおうとしています。
その影響が少ないという学者はチェルノブイリの被害の軽視にも加担しました。
しかし事実は様々な疾患の多発です。
皆さん、常識的に判断してください。
お願いです。

少しだも人のいのちに害ありて少しくらいハよ いと云ふなよ �538

心なき身にもまことハしられけり赤き紅葉を見 るに付けても �558

花もなく鳥もなかずにういニ泣く谷中の民に春 の来ぬとハ �620

愚鈍めが気遣水を呑んだくれバあとさき見ずの あとさきしらず �99

田舎路ハまだ春ならであさましきみやこハ花の さかりなりけり �591

天災とおもふ野心のなかりせバ世に災の来る事 もなし �606

へんてこにまがりくねりて鉢植の松もみどりに 花の咲くらん �238

春雪ハわしがこゝろにそわぬなり矢張堅き氷こ そよし �371

神となり仏ともなる道すがら忘れまじきハ人の ふむ道 �337

寝言とてうたわぬよりハうたへかしうたへバう たふ人の訪ふなり �369

議員どの鬼のちょうちんもちをして足尾の山に やみの夜あるき �123

よの中は学士博士の破るなり造るハ下男織るハ 織姫

http://www8.plala.or.jp/kawakiyo/kiyo43_01.htm