細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

原子力損害賠償法をチェックした

原子力損害賠償法についてチェックしました。
あくまで簡単にですからメモみたいなものです。
詳しくは以下に当たってください。

原発賠償を問う――曖昧な責任、翻弄される避難者 (岩波ブックレット)

原発賠償を問う――曖昧な責任、翻弄される避難者 (岩波ブックレット)

被ばくと補償 (平凡社新書)

被ばくと補償 (平凡社新書)

原発事故に備えて、原子力事業者も保険に入ります。
これが「原子力損害賠償責任契約」のようです。
しかし大規模な事故については保険を越えてしまいます。
そこであらかじめ「賠償補償契約」を結びます。
国は足りない部分を被災者救済を迅速化すると称して
原子力事業者に払います。

あらかじめ国につけばらいさせるようにできています。
国の原資は税金ですから納税者につけ払いを
させます。
これが10兆円です。

[東京 20日 ロ イター]-政府は2 0日、賠償や除染に 関する東京電力 (9501.T: 株価, ニュース, レポート) への資金支援枠を現在の5兆円から9兆円 に拡大することを決定した。 除染で出た土を保管する施設の建設費とし て1.1兆円の国費を投入するほか、2. 5兆円の除染費用も国が肩代わりする。政 府は保有する東電株を将来売却することで 費用回収を図るとしているが、全額回収は困難とみられ、不足分はいずれ国民負担と して転嫁される可能性が高そうだ。
同日午前に開いた「原子力災害対策本部会 議」(本部長:安倍晋三首相)で決定し た。安倍首相は会議の締めくくりで、「福 島第1原発の事故収束に向けた取り組みを 強化し、国が前面になって福島の復興を加 速する」などと語った。
<支援拡大、東電要請に応えた安倍政権> 2011年3月に発生した福島第1原発事 故を受け、民主党前政権が「原子力損害賠 償支援機構法」に基づく東電支援策を決 定。政府と電力業界が出資する「原子力損 害賠償支援機構」に5兆円の交付国債を発 行し、同機構を通じて政府は東電資金支 援を行い、東電が被害者に対する賠償金支 払いに当たってきた。これまでに約3兆8 000億円の資金支援が決定、3兆200 0億円あまりが被害者に渡った。資金支援 は、東電が自らの稼ぎを原資に将来にわ たって返済する。 ただ、賠償費用が現在でも5兆─6兆円の 規模に達すると見込まれ、5兆円の上限は いずれ引き上げが必要とみられていた。ま た、議員立法による特別措置法では除染費 用や、除染ではぎ取った土を保管する中間 貯蔵施設の建設費用も東電が負担する仕組 みだが、東電上層部には除染費用の負担に 対する抵抗感が根強い。 東電は昨年11月、10兆円を超える巨額 な金額が見込まれる原発事故の費用負担に ついて、「1企業のみの努力では到底対応 できない」とし政府に支援枠の見直しを訴 えた。また、今年春ごろから福島第1での 汚染水問題が深刻化。安倍政権は、トラブ ル続出の事態を受けて、前政権以来続いた 東電任せの姿勢を転換し、国が事故に伴う 負担を分担する方針を打ち出したことが今 回の支援拡大の背景だ。

http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9BJ02B20131220

会社経営やサラリーマン経験があったかたなら
普通は倒産だよな、破産だよなと思うわけですが
そうならないのはこの法律のおかげです。
電力会社の甘えがひどくなりますよね。

ちなみに原子力損害とは
「 2 この法律において「原子力損害」とは、核燃 料物質の原子核分裂の過程の作用又は核燃料物 質等の放射線の作用若しくは毒性的作用(これ らを摂取し、又は吸入することにより人体に中 毒及びその続発症を及ぼすものをいう。)によ り生じた損害をいう。ただし、次条の規定によ り損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者 の受けた損害を除く。 」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html

つまり内部外部被曝です。
これにたいして被害者は損害賠償を受けられます。

政府が安心安全と言いたがるのは
原子力損害を認めたくないからです。

ちなみに原子力損害賠償紛争審査会というものが
文部科学省の下に設けられてます。
政府の下にある時点で第三者的ではありませんが。。
被害者と原子力事業者の紛争を解決する指針をつくります。
ここもまた問題ありそうですが
またの機会に。

以下
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html
より引用

第二章 原子力損害賠償責任

(無過失責任、責任の集中等) 第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転 等により原子力損害を与えたときは、当該原子 炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠 償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常 に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じ たものであるときは、この限りでない。 2 前項の場合において、その損害が原子力事業 者間の核燃料物質等の運搬により生じたもので あるときは、当該原子力事業者間に特約がない 限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力 事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。

第四条 前条の場合においては、同条の規定によ り損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者 以外の者は、その損害を賠償する責めに任じな い。 2 前条第一項の場合において、第七条の二第二 項に規定する損害賠償措置を講じて本邦の水域 に外国原子力船を立ち入らせる原子力事業者が 損害を賠償する責めに任ずべき額は、同項に規 定する額までとする。 3 原子炉の運転等により生じた原子力損害につ いては、商法(明治三十二年法律第四十八 号)第七百九十八条第一項、船舶の所有者等の 責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九 十四号)及び製造物責任法(平成六年法律第八 十五号)の規定は、適用しない。

(求償権) 第五条 第三条の場合において、その損害が第三 者の故意により生じたものであるときは、同条 の規定により損害を賠償した原子力事業者は、 その者に対して求償権を有する。 2 前項の規定は、求償権に関し特約をすること を妨げない。

第三章 損害賠償措置

第一節 損害賠償措置

(損害賠償措置を講ずべき義務) 第六条 原子力事業者は、原子力損害を賠償する ための措置(以下「損害賠償措置」という。) を講じていなければ、原子炉の運転等をしては ならない。

(損害賠償措置の内容) 第七条 損害賠償措置は、次条の規定の適用があ る場合を除き、原子力損害賠償責任保険契約及 び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託 であつて、その措置により、一工場若しくは一 事業所当たり若しくは一原子力船当たり千二百 億円(政令で定める原子炉の運転等について は、千二百億円以内で政令で定める金額とす る。以下「賠償措置額」という。)を原子力損 害の賠償に充てることができるものとして文部 科学大臣の承認を受けたもの又はこれらに相当 する措置であつて文部科学大臣の承認を受けた ものとする。 2 文部科学大臣は、原子力事業者が第三条の規 定により原子力損害を賠償したことにより原子 力損害の賠償に充てるべき金額が賠償措置額未 満となつた場合において、原子力損害の賠償の 履行を確保するため必要があると認めるとき は、当該原子力事業者に対し、期限を指定し、 これを賠償措置額にすることを命ずることがで きる。 3 前項に規定する場合においては、同項の規定 による命令がなされるまでの間(同項の規定に よる命令がなされた場合においては、当該命令 により指定された期限までの間)は、前条の規 定は、適用しない。

第七条の二 原子力船を外国の水域に立ち入らせ る場合の損害賠償措置は、原子力損害賠償責任 保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結そ の他の措置であつて、当該原子力船に係る原子 力事業者が原子力損害を賠償する責めに任ずべ きものとして政府が当該外国政府と合意した額 の原子力損害を賠償するに足りる措置として文 部科学大臣の承認を受けたものとする。 2 外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる場 合の損害賠償措置は、当該外国原子力船に係る 原子力事業者が原子力損害を賠償する責めに任 ずべきものとして政府が当該外国政府と合意し た額(原子力損害の発生の原因となつた事実一 について三百六十億円を下らないものとする。 )の原子力損害を賠償するに足りる措置として 文部科学大臣の承認を受けたものとする。

第二節 原子力損害賠償責任保険契約

原子力損害賠償責任保険契約) 第八条 原子力損害賠償責任保険契約(以下「責 任保険契約」という。)は、原子力事業者の原 子力損害の賠償の責任が発生した場合におい て、一定の事由による原子力損害を原子力事業 者が賠償することにより生ずる損失を保険者 (保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第 四項に規定する損害保険会社又は同条第九項 に規定する外国損害保険会社等で、責任保険の 引受けを行う者に限る。以下同じ。)がうめる ことを約し、保険契約者が保険者に保険料を支 払うことを約する契約とする。

第九条 被害者は、損害賠償請求権に関し、責任 保険契約の保険金について、他の債権者に優先 して弁済を受ける権利を有する。 2 被保険者は、被害者に対する損害賠償額につ いて、自己が支払つた限度又は被害者の承諾が あつた限度においてのみ、保険者に対して保険 金の支払を請求することができる。 3 責任保険契約の保険金請求権は、これを譲り 渡し、担保に供し、又は差し押えることができ ない。ただし、被害者が損害賠償請求権に関し 差し押える場合は、この限りでない。

第三節 原子力損害賠償補償契約

原子力損害賠償補償契約) 第十条 原子力損害賠償補償契約(以下「補償契 約」という。)は、原子力事業者の原子力損害 の賠償の責任が発生した場合において、責任保 険契約その他の原子力損害を賠償するための措 置によつてはうめることができない原子力損害 を原子力事業者が賠償することにより生ずる損 失を政府が補償することを約し、原子力事業者 が補償料を納付することを約する契約とする。 2 補償契約に関する事項は、別に法律で定め る。

第十一条 第九条の規定は、補償契約に基づく補 償金について準用する。

第四節 供託

(供託) 第十二条 損害賠償措置としての供託は、原子力 事業者の主たる事務所のもよりの法務局又は地 方法務局に、金銭又は文部科学省令で定める有 価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平 成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一 項に規定する振替債を含む。以下この節におい て同じ。)によりするものとする。

(供託物の還付) 第十三条 被害者は、損害賠償請求権に関し、前 条の規定により原子力事業者が供託した金銭又 は有価証券について、その債権の弁済を受ける 権利を有する。

(供託物の取りもどし) 第十四条 原子力事業者は、次の各号に掲げる場 合においては、文部科学大臣の承認を受けて、 第十二条の規定により供託した金銭又は有価証 券を取りもどすことができる。 一 原子力損害を賠償したとき。 二 供託に代えて他の損害賠償措置を講じたと き。 三 原子炉の運転等をやめたとき。 2 文部科学大臣は、前項第二号又は第三号に掲 げる場合において承認するときは、原子力損害 の賠償の履行を確保するため必要と認められる 限度において、取りもどすことができる時期及 び取りもどすことができる金銭又は有価証券の 額を指定して承認することができる。

文部科学省令・法務省令への委任) 第十五条 この節に定めるもののほか、供託に関 する事項は、文部科学省令・法務省令で定め る。

第四章 国の措置

(国の措置) 第十六条 政府は、原子力損害が生じた場合にお いて、原子力事業者(外国原子力船に係る原子 力事業者を除く。)が第三条の規定により損害 を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこ え、かつ、この法律の目的を達成するため必要 があると認めるときは、原子力事業者に対し、 原子力事業者が損害を賠償するために必要な援 助を行なうものとする。 2 前項の援助は、国会の議決により政府に属さ せられた権限の範囲内において行なうものとす る。

第十七条 政府は、第三条第一項ただし書の場合 又は第七条の二第二項の原子力損害で同項に規 定する額をこえると認められるものが生じた場 合においては、被災者の救助及び被害の拡大の 防止のため必要な措置を講ずるようにするもの とする。

第五章 原子力損害賠償紛争審査会

第十八条 文部科学省に、原子力損害の賠償に関 して紛争が生じた場合における和解の仲介及び 当該紛争の当事者による自主的な解決に資する 一般的な指針の策定に係る事務を行わせるた め、政令の定めるところにより、原子力損害賠 償紛争審査会(以下この条において「審査会」 という。)を置くことができる。 2 審査会は、次に掲げる事務を処理する。 一 原子力損害の賠償に関する紛争について和解 の仲介を行うこと。 二 原子力損害の賠償に関する紛争について原子 力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の 当事者による自主的な解決に資する一般的な指 針を定めること。 三 前二号に掲げる事務を行うため必要な原子力 損害の調査及び評価を行うこと。