細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

原発事故こども被災者支援法のパブコメ送りました

(意見の主旨)

こども被災者支援法の基本方針案に関しては、法律の条文に違反する重大な瑕疵があり 全く認められません。さらに、国連人権理事 会のグローバー報告からも逸脱しており国際 人道的にも認めがたいものです。たくさんの区域内外の避難民が支援を受けられない現状を公聴会などを通じ真摯に受け止め基本方針案を全面的に改定するよう求めます。閣議決定を行うべきではありません。

(意見の理由)

・例えばこども被災者支援法第5条の3に被災者の意見をもとに基本方針を策定する旨書かれていますが、パブコメだけでなく、公聴会を開催して現地被災者や強制、自主両者の避難 者と十分討論を行うべきです。これは基本 方針策定後も継続的に行ってください。

・次に基本方針案1〜2ページⅡ支援対象地域について意見します。 こども被災者支援法には一定の線量基準を定めるとありますが、定められていません。復興庁は地域の分断を避けきめこまやかにと言 いますが、こども被災者支援法は一条以下全 て低線量の被曝影響を懸念し未然防止をうたっています。 福島の33市町村以外にも多数の都県にホット スポットは広がっています。チェルノブイリ法、電離放射線規則、労災等で5ミリシーベル トは軒並み影響のある区域として定められて います。チェルノブイリ法では5ミリは強制避 難、1から5ミリシーベルトは避難の権利を与えています。放射能汚染は長期に及びますか ら、ICRPの緊急時などの20ミリシーベルトで はなく、年間被曝限度1ミリシーベルトを移住 の保障の基準とし区域内はもちろん区域外の避難者や避難希望者に支援を行ってください。

3被災者への支援(6)〜(13)までについて。 提案します。 例えば原発被災者手帳を作り、強制、自主に 関わらずあらゆる避難者について、移住先の自治体に公営住宅被災者への家賃補助や医療、就労支援を行えるよう財政補助を行うなど具体的で全国的な措置を行い、被災者とくに避難者の支援と使いやすい制度構築に速や かにあたってください。 また移住者、移住希望者に移住に関わる金銭的な支援給付を行ってください。 財源は復興予算で流用や不適切な使途のもの、使いきれなかったものを全面的にあてる のが望ましいでしょう。 今の基本方針案は帰還を念頭に置いており、 避難の権利を規定したこども被災者支援法に則っていません。現地にとどまる被災者に十 分な放射線防護措置、国連人権理事会が提案する全面的な健康支援を行ってください。そ の際汚染に対する経済や人的被害に対する東電賠償を加速させ、東電の責任範囲を明確化させることを同時に行ってください。 そして一番たなざらしにされている長期的な希望移住支援を行ってください。区域外の自主避難者を放置することをやめ支援を徹底し、長期の区域内避難者のケアにあたってください。 これは原発事故対策と同じくらいの重要度をつけ、迅速かつ最大級の形で行ってください。

・4その他の支援の放射線研究やリスクコミュニケーションや3の被災者への支援のなかでとくに健康に関する検査に関してですが、放射線の健康影響については、国連人権理事会も 指摘するとおり、100ミリシーベルト以下でも、健康被害が確認されています。 さらに国際的にはLNT仮説が採用されており、 低い放射線からの長期的な被曝影響に十分注 意すべきです。ウクライナの政府報告書などでは、ガン以外の多彩な疾患の増加と放射線 影響が相関している可能性が指摘されています。政府は事故以降、メルトダウンや爆発に ついて情報をすぐに出さず「直ちに影響がな い」というリスクコミュニケーションをしてしまいました。しかしこども被災者支援法に書かれているように被害は未然に防ぐべきで、政府は避難区域の指定、スピーディーの開示などまったく後手でさらに、放射性物質は安全と言いくるめるかのように、汚染され た懸念のある物質の流通を十分な説明と同意なく行っている印象があります。 本当に不安を払拭するためには、放射性物質の体内被曝を含めた影響が未解明なことを真 摯に受け止め国内外にあらゆるリスク情報を開示し積極的に国民の合意と未来に渡る被害 の拡大の防止をする必要があります。 そのためには低いレベルでも未解明なリスク がありうることを政府は国民に真摯に述べ、 最大級で調査と対策を行っていくべきです。 変に「安全」といったり、市民の追及をはぐらかすのはまったく民主的ではありません。 データをわかりにくくしたり開示を遅らせたり秘匿してはいけません。 原爆訴訟や放射線影響研究所の資料やチェル ノブイリのたくさんのデータをみる限り、放 射線の電離作用による体内の細胞や遺伝子へ の障害の深刻さはしきい値がなく、とくに内 部被曝は働きがよくわからず予想外の影響をもたらす可能性があることに注意すべきで す。これは分子細胞生物学やエピジェネティクスやゲノム研究の進展、またホリスティク な臨床医学的視点を視野に入れれば明らかに 思えます。 この点から政府が旧態以前のシーベルトに当てはめて安心とばかり言うのは、怠慢であり、国民の無知につけこんでいる疑いさえあります。 放射能の内外部被曝に関して最大限の防止を うたっている支援法は、日本国憲法の基本的 人権の保障や国連人権理事会の報告に合致し ています。放射能被曝に対する防護を今後 の国民生活に影響する公衆衛生上の大きな脅威と見なして基本方針を作り直すよう求めます。

なお9月6日の毎日新聞では政府が当基本方針 案策定の際に議事録が作成公開されていない ことがわかりました。被災者の意見を聞か ず、政府の議論の過程を隠すでは、全く不当 な基本方針案だと思います。被災者支援法は 情報公開も義務付けているはずです。被災者 や避難者、全国民に情報公開を行い特に被災 者と避難者の支援と相談を行えるセンターを 作り継続的な制度の改善を行うべきです。 とくに情報にアクセスしにくいこどもや老 人、障害者、在日外国人などのマイノリティ にも丁寧な情報サポートを行うべきです。

(結論) 原発事故被災者支援法に則らない基本方針を 撤回し、改めて被災公聴会を開催して、こ ども被災者支援法の趣旨に乗っとり被曝の影 響から市民を守るあらゆる政策を行い希望移 住をかなえ、被災者と避難者に具体的な支援 政策を立て直すよう強く求めます。