細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

クイズ

以下の文章を読んで問いにお答えください。(長いですが…)

かつて芸術家たちは、カントやヒュームのように、君主への書簡には、「陛下の従順な下僕として」と署名しはしたが、それでいて王冠や祭壇の基盤をひそかに揺るがせたものだった。今日芸術家たちは、政府の高官をファースト・ネームで呼んだりしているが、それでいてどんな芸術活動においても、彼らの非文学的雇用主の判断に従っている。トックビルが一〇〇年前に行なった分析の正しさは、今日に至るまで完全に証明された。じっさいのところ、私的な文化独占の下では、「暴君政治は、人の身体を拘束することなく、まっすぐに人の心に襲いかかる。そこではもう支配者は、「お前は私と同じように考えねばならない。さもなければ死だ」とは言わない。彼は言う。「私のように考えなくても、それはお前の勝手だ。お前の生命や財産、すべてそのままにしておいてやろう。ただその日からお前はわれわれのもとでは異邦人だ」と」。同調しない者は、その報いとして経済的無力に突き落とされ、その無力は孤立した者の精神的無力につながる。企業から締め出されればその人は欠陥者と目される。今日、需要と供給のメカニズムは、物質的生産の面では崩壊しつつある一方、上部構造の面では、支配者のためのコントロールとして作用している。この場合消費者とは、労働者やサラリーマンであり、農民や小市民である。彼らは資本制生産の中に心身ともに封じ込められ、要求されたものに唯々諾々と身を委ねるようになる。言うまでもなく被支配者たちは、上から与えられたモラルを、支配者自身よりもっと真面目に受け取るものだが、それと同じく欺かれた大衆は、今日では、成功した者たちよりはるかに成功神話に陥っている。彼らは自分たちも成功したいと願っている。見まごうかたなく、彼らは自分たちを奴隷化するイデオロギーにしがみついているのだ。自分に加えられる危害に対する民衆の病的愛着は、当局の老獪さより先行している。(中略)産業は自分で煽ってつくりあげた人気投票に追従する。一度契約を交わしたスターがやがて落ち目になって採算がとれなくなった会社は、臨時費を組まなければならなくなるにしても、その損失は社会全体の体制にとっては意味のある支出なのだ。全体の体制は古びたものは廃物化させるという要求を狡猾に聖化させることによって、全体の調和を更新させる。

この文章の入った本が出版されたのはいつでしょう?
ヒント:小泉政権のことを誰かが批判した文章とかではないです。
正解は










































































正解は1947年。執筆時期は1939〜44年です。
ホルクハイマーとアドルノというドイツ系ユダヤ人の共著「啓蒙の弁証法」という本です。むかし買ってあまり読まないままほってて最近めくったらこんな一文が出てきたのです。
びっくりでした。。