細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】なにものでもなく、命は

 

ほんものも無く
にせものも無い

 

みなさんのお話がわからず
言葉が通じ合う道がない
誰にも
生きている意味は
用意されておらず
ただ最小限のものが
循環している

 

ただ
何かがあるように
見えていた
ものが
誰かの呪いの
残り滓であって
毎日
日が昇るとか気温が
上がるとかも
私たちが
ただ生きている
感じている
ことが
とらえている
もので
はっきりとした
幻と実在の
境目はない 

 

私たちは
ただの仕組みとして
作動していて
なんの目的も
使い道もない
装置なのだといえる


だから私たちは容易に自分を
騙し、ごまかせるし
実際
必ずしも
そうでなくちゃならない
ことは
多くないのだ

 

道は道でなく
山は山ではなく
人は人であるか
わからない
そんなことが毎日
起きている
私たちが生まれた始めの
日から

すべての
営みは
その人が
どんな人でありたいか
に依存しており
だから
なにものでもない人で
あることは
できる

 

この世のあり方の
すべてに
違和感を抱いて
あなたは
はじめて
なにものであるか
ないかの
世界のゲームから
逃れて
あなた自身を見つける誰かを
求める旅に
出るのだ