細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】地球での生き方を知らなかった

 

 

 

彼方に向かうはずの
感覚の草の葉の先は
熱暑に干からび

 

巨体の老人の

荒々しい声の
飛沫は
それほど遠くない
滅びを目指している

地表で激しく蒸発した
水は
やがて巨大な雲となり
私たちの地上的生命を
洗い流すのだが
それは
あらゆる宗教経典に
描かれてはいない
際限のない
濁り水である

必死に声を限りに
叫んでいると
ただ生きているということ
だけが
深く強くビートになる

 

草原の面影に
船が
船が
そんなものはない
逃れられない地球の
地表面より
間に合わない

ただの生き物として
目覚めた人間
手足に力が入らず
ただ
ふらふら
とゆききする

 

人間と人間以外と
生物と生物以外と
といった区別もなく

 

青い花
飾る

 

私たちは
地球での生き方を知らなかった

地球での生き方を知らなかった

そのことを
天国や地獄と
誰かが
呼んでいたのだった