細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【福島第一汚染水海洋放出問題】ロンドン条約(廃棄物海洋投棄規制)の締結国会議で韓国政府に加え中国やチリ政府代表も懸念を表明。議長は日本政府に情報公開を求めた。

海洋投棄に関する国際的な規制を定めたロンドン条約の締結国会議で、韓国政府が日本政府の福島第一原発汚染水の海洋放出に関して議論を提起。

中国やチリ政府代表も懸念を表明しました。 議長も議論の継続と、日本政府に情報公開を求めました。

韓国海洋水産部「中国・チリも『日本福島汚染水』の海洋排出に懸念」 中央日報日本語版 2019.10.10 14:14 https://s.japanese.joins.com/jarticle/258446

「ロンドン国際海事機関(IMO)本部で開かれているロンドン条約及びロンドン議定書で、中国とチリが日本の福島原発汚染水の海洋排出の可能性に対して懸念を表明した。これまでこの問題を国際的に公論化しようとしていた韓国の立場としては「援軍」ともいえる同調国を得たことになる。

10日、韓国海洋水産部によると、これまで当事国総会では福島原発汚染水処理問題がロンドン条約及びロンドン議定書内で議論する問題ではないとみなされていた。当事者である日本やIMO事務局などは該当イシューが海上での投機などに関するロンドン条約及びロンドン議定書ではなく、国際原子力機関IAEA)で議論するべき事案という立場を示してきたためだ。

しかし、今回の当事国総会では、中国とチリがこの懸案に対して懸念を表明し、当事国総会で引き続き話し合うべきだという立場を表明しながら雰囲気が変わってきているというのが海洋水産部の説明だ。

特に今回の総会では、環境関連の非政府組織(NGO)であるグリーンピースも「国際社会が共同で解決策を模索していくべきだ」と提案して韓国側に力を加えた。「福島原発汚染水排出計画関連の懸念と質問」文書を提出したグリーンピースは、日本の原発汚染水処理に関連し、海洋排出の可能性を懸念しながら、日本の原発汚染水処理システム(多核種除去設備、Advanced Liquid Processing System)が効率的ではないと指摘した。

これに対し、ガーナ出身のプレムペ議長は「福島汚染水処理問題を議題化できるかどうか、議論の余地はあるものの、日本側が情報を透明に他国に公開しなければならない」と述べた。

だが、日本はこの懸案は当事国総会で議論する対象ではないという従来の立場を維持した。ただし、今月9月、日本国内の外交官を対象に提供していた原発汚染水処理現況に関する情報を提供しながら「日本政府内で原発汚染水処理方法が決まっておらず、進行状況を国際社会に引き続き知らせる」という立場を表明した。」

維新の市長が大阪湾に持ってきたらとか、規制委員長や、前環境大臣も海洋放出せよの大号令です。 しかしそもそも東京電力のデータでは、汚染水タンクに貯留されている約7割の水から、トリチウム以外にも、複数の放射性物質が基準値超えています。

多核種除去設備等処理水のデータ更新等について 2018年11月30日東京電力ホールディングス株式会社 福島第一廃炉推進カンパニー https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/011_02_01.pdf 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第11回)‐配布資料 https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/011_haifu.html

つまり、「十分に除去されたトリチウム水に過ぎず薄めたら放出できる」という日本政府や維新の市長の主張は、科学的データに基づいているとは言い難いものです。 私の主張ではなく、東京電力のデータがそうなのです。 これに基づいて経産省の多核種除去設備処理水に関する委員会は陸上保管を含めた検討を始めているのです。

なぜ政府高官や維新は、実際のデータに基づかず、安全だと主張をするのでしょうか。私は理解に苦しみます。

考えられる理由は(ありえないことですが)①東京電力のデータを知らないか、②間違って解釈しているか、③無限に薄めて放出できると決めつけているのか④そもそもデータの存在を無視しているのか。

①は松井市長以外は政府の大臣なんですからデータを知らないまま主張をするのはあまりに責任感がありません。 ②ストロンチウム90、報道では最大1万9909倍。 5〜10倍は約20万立方メートル、10〜100倍は約16万立方メートル、100〜19,909倍が約6万5000立方メートル。 間違って解釈しようがありません。 結論を勝手に決めて安全安全としているのではないか。

再処理を繰り返したりしても莫大な時間がかかります。 これを希釈したりしてすぐ出せるように言うのはあまりにも数字を軽く見過ぎています。 陸上保管して、減衰を待つべきです。 その間に新たな濾過技術を開発すべきです。

トリチウムも1000兆ベクレルとあり、軽く見て良い数字ではありません。 他の核種を含め総量としてどれだけか東京電力経産省は、データを公表すべきです。 汚染物質として管理するなら、濃度だといくらでも薄めて外に出せてしまいます。 それは大変危険です。