細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】あふれかえる夕方

本当に空白で 真昼にお皿を洗っている 水のしぶきが 私を泣いている めくれてきた私から 神経の束が あふれる

疲れたから寝ている 単純な 困難に打ち負かされて 光と、微粒子の私が ぶつかり合って 頭の中が かゆくなる

あなた方は 私の示す感情に 名前をつけず 答えなかったので 生きられる感情にならず あふれかえるものは 意識される私にならず

私は 透明な子ども時代に みぞおちと腹を突き上げられ 苦悶のエクスタシーで 他人を見失う

好きとか 嫌いの前に 名状できない むずむずがあって むずむずは コーヒーによっては 静まらない

窓ガラスを見ていると 今日の日付がわからない 歌を歌っているしかない 真面目な話なのに 犬が 子犬が吠えている 血があふれて 空から降りてくる風が とても美しい

夕方 灰と紫の雲 私の 生まれる前の 赤や黄色 そこで 私は 立ち尽くしていた あの時 なにか なにかがあったような 時間が柱を つらぬき 電流が降りてきて 私は眠るようにうっとりして いる 夜空に穏やかさが 生まれると 明日 を 恐れている