【詩作品】自由意志
限界を感じて 青空にちぎれ雲 目にしみる青さに 深くおぼれてみる
何本もの泡の柱が 立ち昇る中を 歩いているみたい 脳の中で
笑いが笑いでなく 風が風でなく 緑が緑でなく すべていつか仕組まれたお話みたいに
ダマされまいと ただ駅に向かって歩いている
ただ生きることに集中し 集中しすぎてめり込んだら 見えた遠い世界を
どうしたらいいのか 生きているだけなのだ
あたたかくなってきたから 黄や赤の信号が 目や耳に走る
君も私も稲妻なのだ ただ あぜ道を歩いて 限りなく あぜ道を抜け 川べりに立ち 巨大な文明の跡を眺める
今 私がある世界がすべて 遺跡に見える 私もまた終わったまま 有終の美を 失っている
ぶつぶつと 川や石が話しかけてくる 錆びた鉄橋が ゆっくりと 朽ちていく
どこに行ってもいい どこに行かなくてもいい