細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】海から春へと

わたくしの抽象的な感受 人生を回転させ損なった それは捻転した 冬の空に卒倒した 汗をかいて うどんを食べて生き返ろうとした

光景が変わると 匂いが変わり これは紙に印字された臭いがする いつも変だった

諦められずに 冬の海を眺めた 雨が降って情けない気分で 頭をかきむしった いにしえの人が歩いて 抱き合って流れ着いた場所だ 草むらに日がこぼれ弾ける 冬から春まで待ったからだった

そこには 電車が走り 何もかもが いつの間にか滅んで 板塀にカビが生えている お金や地位があっても なくても わたくしたちはカビから逃れられない

踊ろうよ踊るかな やめてしまおうかな 素晴らしい絵や言葉のなかに ウソを見る

誰も変ってしまった これは書けないけど 本当に何もしなくて良いというわけではない 疲れて破裂して この街の冬から春へ 晩から朝へ 時間と生命が混ざり合って 体液となり あたたかい拍動を 向ける場所もなく ひとりで ひとりではなくて 誰かと 誰なのかと だれ だれ