細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】シンプリファイ、ジャスティファイ、ノーティフィケーション

はりつめて

街のうすぐらさを

感じていた

何もしたくなかった

まだまだ私は

私自身を

わざとらしいと感じるけど

歩いていた

看板の汚れとか

シャッターから漏れる光とか 日々

崩れゆく命が

この町であり

この私だと

アーケードは

産まれた時に見た

この世界の

手ざわり

強い光の向こうにみえる

優しい布の繊維や

木目の湿った感じや

ただ少しひんやりとして

私がなぐさめられてよいのやら

しかし何を付け加えられる

わけではない

すべて

風に削られる結晶や

朽ちていく鉄である

光が落ちて

橙になるころ

朽ちていく鉄に

帰れない時間を

匂った

生き始めたときに

死に始めている

匂いは

私のうぶ毛からもする

タイルははめ込まれ

血は流れ

書かれない物語を

たゆたわせている

小銭がもうなくて

この町の母に伝える

キャッシャーが

光で

商品の信号を読み取る

この町に来て

はじめて

買ったものや

はじめて入った

コンビニを

覚えている

生きていけるかって

生きるって

そんなに難しい?

難しくないの?

息をしたり

血が流れているから

ただ

だけど

からだは知らぬ間に

老いてゆき

放射性崩壊は続いてくから

だれの肌の中にも

何をしても

何を話しても

私は

影になる

間に

あなたと

話していることの意味を

緑の川の水

曇ってくるしい

どうして

どうして

行ってしまうのかな

どうして

感じる息を

ここに

いてる

なぜかわからない

来た

書き表せないほど

様々なことがあったよ

それはシンプルだ

たぶん