細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】空を見てる空を見てる見てる

ある日 昼日中の静かな下町から 空を見た

疲れた私の目は 空を見て、なにか抜かれたように 楽になるのを感じた

空は無限だから 私の方向のあちらこちらに 散らばった苛立ちや 欲望や思いを 吸収するうつわがあるのだ

私はそれほどに 中年の身体に 始末の悪い ワガママや 生煮えな思いを蔵している

白い糸のような観念は おり重なり連なり 複雑な無限に解体されていく

そのあと単なる買い物する人に なるのだ

空のあの青とあちらの白っぽい青と どれだけの種類の青があるやら しかしこの青は瞬間瞬間に 少しずつ濃さを変えて いつの間にか夕方になるのだろう

これまで いろいろあって やっと今がある と思うが いや この瞬間が すごいんだぜとも思う

素晴らしきこの世界と この商店街は 歌う

日曜日だからか 何曜日だっけと スマホをみて 日曜日だったと 確かめる

あの人は 今日は楽しく話してくれたが と思い 呪われた私は 明日他人を悲しく させるだろうと なぜか気がふさぐ

そんな思いに負けてられるか と 青空を見ようと また急いで商店街を 歩く ゆっくり歩いたらいいじゃないか

呪われた私なぞ どっから出てきた観念なんだよ

記憶に振り回されちゃ いけない むろん 何からでも 学べるけど 私は 私を耐えず傷つけちゃいけない

いや大切にする仕方がわからない 笑いかけてあげて どうやって? あなたは誰?

空に飛行機が飛んで 暑いとか うるさいとか いろいろなことが思い浮かぶ

空は実は魔であるのだろうか

また空を見てる 空を見てる 見てる