細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】ナニモナイサカミチヲクダリテ

もう少しまじめに しんどくなったらどうだろう

暗く光る橋を電車が 走る 響き渡る草よ風よ 人間の底までぶつからないと なにもみえなくて なにも感じられなくて なにもないんだ

わたしたちの国は なにもない国 わたしたちの わたしがない国 わたしもないからあなたもなく 生きる時に死に向き合えない国 死はあちこちに生えているのに いまボンヤリしていた 道の傍らになにも咲いていなかった

争いは笑顔で止まず 争いをやめるには わたしと あなたの底をぶつけないと

でもなに考えてるかわからないよ ソファに顔うずめて わたしとあなた大人になれないよ このままじゃいくさになっちゃうよ 大きなビル コンクリートの陸橋 もう期待はないよ 気体もないよ 空気ないから

底に落ちていく 永遠に滑り止めはないよ あれやこれの 知識も情報も ちがう まじめにただ滅びていく 覚悟の中で 海辺を歩く

さみしいよ 希望がなくて 光があって

意味がわかり会えないまで 話し合ったか どうだ どうですか

炸裂する海辺に 死の花火が ぱちぱちぱちぱち

これは何の残り香か これは死が命を 命が死を 食い合って坂道を

何もなく