細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】無限の粒の形をした毎日の命がおそろしいよ

どうしようもないもの 追いかけて 疲れて 腰かける場所がない

空は暗い 冬がもう少しずつめくれてきて 湿度を帯びた風が 光にからまってる

憂うつだ なぜか 血の匂いがしないのに 毎日殺されていることを 年の初めには感じるもの だよ

私は殺されかけもしたけど やはり押しのけて 踏みつけて 残酷な私なんだ 反省なんて殊勝なもんやない 事実だから

事実を柱にして ニット帽を深くかぶり 冷たい風に 削られるくらいが ちょうどいいのか

とはいえ、私にも 年の割には ふさふさと感覚の柔毛すら あるわけで これは赤面する 鏡のようなドブ川の 鈍い水面に 恥じよ 生きよと 神聖な声がする コンビニに行くだけなんだが

うまく生きられない うまく生きてどうする ひとの中に 無防備で爽やかな朝をみる ひとの繰り返す悪の 悪夢の中に なぜか露頭する 見事な 朝焼け おそろしい おそろしいね

昨日生き始めたように 私は命がおそろしいよ 私が ただふるえる命であり 向こう側にいるひとの 叫ぶ声 そこにもふるえている 命が深く深く 闇から芽吹いてくる

じっくりと壊れていく世界に 性懲りのない私がふるえて泣くと 誰の奥にも限りないふるえる命が まっくらな石炭袋から 声を上げている

私はなぜか みてはいけない 聞いてはいけない 気がしたよ とうぶん私たちは 生きることをやめないらしいから いいことがあるかないかじゃない あらたまるかどうかじゃない とにかくわけのわからないもの どうしようもないもの

銀河の果ての星くず 太陽の放つ波

くさぶえ 忍者 スマートフォン

どうしようもなく 物質が湧いて 人間の形をした 無限の粒が 命の形でふるえている

こわいよ こわいよ 私もそうなんだよ いいか悪いかわからないし わからないことが 毎日の 暮らしらしいですから