細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

ロシア外務省ザハロワ報道官が福島第1原発事故で発生した放射能汚染水の海洋投棄に反対の姿勢

ロシア外務省ザハロワ報道官が福島第1原発事故で発生した放射能汚染水の海洋投棄に反対の姿勢を示しました。スプートニクニュースより。

https://jp.sputniknews.com/politics/201712204401758/

「露外務省:日本は福島第1原発からの放射性汚染水の太平洋への放出を禁止すべきだ 2017年12月20日 16:55(アップデート 2017年12月20日 17:09) ロシア外務省のザハロワ報道官は20日、日本政府は福島第1原子力発電所事故によって発生した液体放射性廃棄物の太平洋への放出を禁止すべきであると発表した。

スプートニク日本

カザフスタン © AP PHOTO/ 世界の放射能汚染地域ワースト9【写真】 ザハロワ氏は「マスコミで定期的に伝えられている福島第1原子力発電所の大事故によって発生した液体放射性廃棄物を海に大量に放出するという東京電力の方針に関する報道は懸念を呼んでいる。特に2017年7月の川村隆東京電力会長の発言や、最近インディペンデントならびにジャパン・ニューズをはじめとした複数の外国の新聞が伝えた記事によって懸念が生まれている」と指摘し、「日本政府は、放射性汚染水の海への放出を禁止し、福島での大事故によって発生した廃棄物を安全に処理する方法を見つけるべきだと考える。日本にそのような技術がないのであれば、日本は国際社会に支援を求めることができるはずだ」と強調した。 またザハロワ氏は、これが「数十万トンの放射性汚染水」に関するものであることに注目し、「このような大量の放出は、太平洋の環境や水産資源に大きな損害を与える恐れがあると考えている。これは日本の漁業関係者、そしておそらく沿岸地域の住民全体にも打撃を与えるだろう」と述べた。

ロシアはまた、他の国にも損害を与える可能性があると考えている。ザハロワ氏は「放射性汚染水の放出が、ロシアや地域の他の国々の漁業の利益に悪影響を与える恐れもある」と指摘した。」

大量の汚染水に含まれる放射性トリチウムは、三重水素と呼ばれ、水素に置換し、水などの様々な物質に結合してしまいます。 自らの分離は極めて困難で、タスクフォースの報告書にも 「前処理として分離を行う場合については、平成 27 年度に実施した「トリチ ウム分離技術検証試験事業(別紙 3)」の結果を評価に用いることとしてい たが、「ただちに実用化できる段階にある技術は確認されなかった。(トリ チウム分離技術検証試験事業総括及び評価(別紙 4)」ことから、現状に おいては技術の特定が困難なため、期間やコストは空欄とした。」 とあり、分離は困難とされています。 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/tritium_tusk/pdf/160603_01.pdf

水蒸気の大気中への放出、海洋放出、コンクリート固化による地下埋設、地層注入など様々な方法が検討されています。 しかし、内部被曝を軽視した国や東京電力は、大して危なくないと言い張っています。 そして、一番安上がりな海洋放出を選ぼうとしています。

福島・汚染水:海洋放出が最も短期間で低コスト - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20160419/k00/00m/040/134000c

安上がりとはコストが安いだけであって、太平洋の長期的な海洋生態系や漁業への影響は、当然全く未知です。 それなのに田中規制委員会前委員長も技術的にこれしかないと断言してしまっていますし、東京電力川村会長もそれに乗ってしまいました。

「7月10日の意見聴取の席で、田中は川村と小早川に向かって、「国の委員会(処理水に関する小委員会とタスクフォースのこと)というのは責任ある回答は出ません。これは保証しますよ。出たって、それで住民の方、漁民の方が納得するかというと、そんなことはないですから」と指摘。

加えて「トリチウムを取り除くのはできないのだから捨ててくださいと、国際機関も言っているわけです」と断言している。規制委の会合で一連の発言を受けた川村にすれば、海洋放出判断を後押ししてくれると思った田中から「梯子を外された」と感じたかもしれない。」 「『読売新聞』によると、川村は12日のインタビューで、規制委委員長の田中が「科学的にはトリチウム水を海洋放出できる」との見解を示していることについて、「我々もそういう技術的な確証も持っているし、皆さんにも説明してきている」と発言。東電としての判断を問われると、「我々としての判断はしている」と述べたという(7月15日付『読売新聞』)。

また、ウェブの『週刊東洋経済プラス』も7月29日号で、川村が7月12日のインタビューの際に、トリチウム残留水の海洋放出について「もう判断しているんですよ。(規制委の田中)委員長と同じ意見です」と答えたと報じている。

これだけの"証拠"があれば、もはや逃れようはない。此の期に及んで「真意が伝わらなかった」「放出を判断したという意味ではない」といった川村の釈明は笑止千万。

「これまで(東電と)信頼関係を築いてきたが、不安が大きくなった」(福島県漁業協同組合連合会の野崎哲代表理事会長)、「海洋放出は絶対に受け入れられない。風評被害が大きくなる」(いわき市漁業協同組合の江川章代表理事組合長)といった批判が噴出するのは当然だろう。」 http://m.huffingtonpost.jp/foresight/touden-contaminated-water_a_23203693/

もちろん汚染水タンクの東京電力福島第1原発内のキャパシティがあと50,000トン弱で喫緊の課題です。凍土壁もうまく機能していません。 春橋哲史氏のブログより ⬇︎ 「2017年12月14日時点の福島第一原発の汚染水の貯留量・滞留量

元データ→ ​福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第333報)​​​​​​​​/PDFファイル3頁右上の「RO処理水(淡水)」「濃縮廃液」「処理水」「Sr処理水等」「濃縮塩水」の5項目から計算。

タンク内貯留総量:104万7459t(撤去予定タンク底部の残水の一部と移送中の水は、計測不可の為、含めず/RO濃縮水は過去の処理量に基づく計算値)

タンク運用上限値:109万4800t容量(RO濃縮水が残っているフランジ[ボルト締め]タンクは、撤去・解体予定。当ブログでは運用数値に含めず) ​​​  タンク理論上空き容量:4万7341t容量(バッファタンク等、貯留容量として見込めない分が2万t以上は有ると思われる。​詳細は以前の記事を参照​。公開情報から、実質空き容量を正確に読み取るのは困難)」https://plaza.rakuten.co.jp/haruhasi/diary/201712190000/ ゆえにロシア外務省が言うように、ここは世界の英知を結集し、科学的に一番生態系に影響しないやり方を模索すべきです。 また、海洋放出をしないで、地下埋設など他の方法をとる場合、然るべき予算が必要です。政治による決断も必要で、議論を避けるべきではありません。 最終的には科学者や政治家、東電が安全だと誤魔化さないで、国際的に議論をし、市民の前にあらゆる選択肢を示し、市民も環境影響やコスト、東電の責任を考える必要があります。

ゆえに、東電には安易に再稼働をゆるさず、原発賠償や汚染水問題で、ごまかして不誠実な態度をとる場合、法的整理をさせるような政府が必要でしょう。

少なくとも安倍政権ではそれはできないでしょう。 高速炉をまだやるといい、アメリカの核保有を批判すらしない、核推進政府だからです。