細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

柏崎刈羽原発の敷地内活断層の懸念。規制委と東電は地質学者と議論を継続すべきで審査合格は性急かつ危険。国と電力会社は原子力発電国策の過ちを認めているのか疑問でならない。

開いた口が塞がらぬ。あまりに反省なき政府、東電柏崎刈羽原発6,7号機審査合格へ - 細々と彫りつける http://ishikawakz.hatenablog.com/entry/2017/09/01/214725

昨日審査合格の方向と聞き、あまりにショック。 批判する記事を書きました。

さらに今日調べておりましたら、なんと新潟県の地質学者たち「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」が柏崎刈羽原発の敷地内に活断層を指摘しています! しかも「4回目となる要請書では、学術的な問題点を指摘し、規制委の聞き取りにも応じる意向を示したが、これまでに反応はない」と規制委は、研究者たちの指摘に誠実に応じてないことがわかりました。 これは5月30日の記事で、3ヶ月前から議論は進捗したのでしょうか?

柏崎刈羽原発:断層審査4回目要請 規制委に研究会 年代の主張補強 /新潟 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170530/ddl/k15/040/037000c‬ ‪「柏崎刈羽原発‬ ‪断層審査4回目要請 規制委に研究会 年代の主張補強 /新潟‬ ‪毎日新聞 2017年5月30日 地方版‬

‪ 東京電力柏崎刈羽原発敷地内の断層が「活断層の可能性がある」と、地質学者で構成する「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」は29日、原子力規制委員会に、断層の活動年代を科学的に審査し直すよう求める要請書を提出したと発表した。4回目となる要請書では、学術的な問題点を指摘し、規制委の聞き取りにも応じる意向を示したが、これまでに反応はないという。【内藤陽】‬

‪ 東電と研究会には、断層が通る地層に含まれる「刈羽テフラ」と同研究会が柏崎市内で見つけた「藤橋40」は、同一の火山灰との共通認識がある。だが、年代は東電が「20万年前」と主張、研究会は「12万~13万年前」とし、見解が異なる。‬

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‪ 研究会は現地調査を踏まえ、同市軽井川の12万~13万年前の地層で見つけた火山灰が、藤橋40より下にあるものと化学組成が似ていることから、刈羽テフラの「12万~13万年前」を補強するものと提示する。一方、東電は軽井川と藤橋の火山灰を「同じものと断定するのは難しい」と反論している。‬

‪ 記者会見で研究会の立石雅昭・新潟大名誉教授は「規制委は東電の説明をうのみにせず、問題が指摘されているのだから、それを解明する努力をすべきだ。それが県民に対する責任だと思う」と訴えた。」‬

研究者たちは、活断層の存在を示す刈羽テフラが、「藤崎40」の直下にある火山灰と成分が酷似し、13万年前のものであるとしています。 つまり現在柏崎刈羽原発がある場所に13万年前からの活断層が存在する証拠であると。 これだけ新しい活断層があれば、規制委の新規制基準に適合しない、不合格の可能性が出てきます。 東電はそれに対し、20万年前のものだと反論しています。 柏崎刈羽原発中越沖地震が襲い、敷地内に段差ができケーブル火災を起こし、建屋の揺れから燃料プールから水が漏れました。 その教訓から当時の新潟県泉田知事は、東電に震災対策を要求し、福島第一原発に免震重要棟が出来、福島の事故対策拠点になりました。

これまでの経過をたどりますが、重大な懸念が提起されてますから、規制委は、田中委員長の退任に関係なく、科学的に十分な議論を続けるべきです。東電や規制委は、新潟県の地質学者団体と十分に議論すべきですから、予定されている審査合格を出すべきではないのではないかと私は考えます。

4月18日の記事。

柏崎刈羽原発:敷地内に活断層か 13万年前以降に活動 -毎日 https://mainichi.jp/articles/20170418/k00/00e/040/240000c 「新規制基準では12万から13万年前以降に活動した可能性のある断層は活断層と評価されるだけに…再稼働の判断に影響を与える可能性」

4月21日の記事

「全面的見直しを・・研究会メンバーで新潟県の技術委員会委員、立石雅昭新潟大学名誉教授の話 

 研究会は昨年1月にも、東電の公表資料から藤橋40と刈羽テフラが同一の可能性があると指摘し、規制委に検証を求めていたのです。規制委がそうした指摘に真摯(しんし)に向き合っていないことが問題です。これまでの調査・解析結果を全面的に見直すよう、申し入れたい。

(「しんぶん赤旗」2017年4月21日より転載)」 http://jcpre.com/?p=13652

4月27日東京電力資料

東電の主張 「 当社は、広域に分布した火山灰の確認、地層の堆積の様子、化石分析など様々な角度から分析を行った結果、刈羽テフラは約 20 万年前の火山灰と評価しています。 〇当社の評価結果は、原子力規制委員会からも概ね妥当と評価」 http://www.tepco.co.jp/kk-np/data/publication/pdf/2017/29042704.pdf

5月27日の記事

柏崎刈羽原発活断層問題 東電本部長「議論の余地なし」 柏崎、刈羽で説明 /新潟 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170527/ddl/k15/040/102000c姉川氏は…「もう少し主張の根拠が明確になれば、具体的な議論の仕方についても生産的な話し合いができる」」

5月30日の記事 https://mainichi.jp/articles/20170530/ddl/k15/040/037000c 柏崎刈羽原発:断層審査4回目要請 規制委に研究会 年代の主張補強

「4回目となる要請書では、学術的な問題点を指摘し、規制委の聞き取りにも応じる意向を示したが、これまでに反応はない」

特に、東京電力福島原発事故の被害者に十分な補償を行わず、莫大な訴訟を抱えていますし、政府を通じて、原発事故費用を税金に転嫁しているわけです。また旧経営陣の刑事告訴も終わっていません。 本来ならこれだけの大事故を起こした企業は、社会的経済的な責任があり、返済不能な負債がありますが、政府は、東電の再建と賠償資金の補填を同時に行うスキームを立ててしまいました。 ゆえに東電は普通の企業なら倒産する事故を起こしながら、建前では補償のためだといいながら、経営再建し再稼働しようとしています。 原賠機構にしろ、規制委にしろ、東電の再稼働を助けることになっています。 しかし、まだまだ福島被害者は苦しんでいますし、国や電力会社が原子力発電について根底的に姿勢を改めたとは見えません。 その上再稼働とは、誰しも納得しがたいのではないでしょうか。