【詩作品】不思議に驚いているだけ
夢を見ていた
歩いていた
あなた
僕のことをわからなくていい
わからないから始められる
わからないところからしか
始められない
陽射しが強い
風はこんなに涼しく
岩はこんなに大きいのに
父は悪くなかったんだと
僕も思います
そして
僕はたくさんのことが
わからなくて
混乱し
困惑し
泣いていたのです
今でも
そんな気持ちによく襲われます
それは
もっとも強い感情です
誰しもがひとりなのだ
大空を鳥が鳴いて
すべてがあからさまだ
何も隠されてはいない
僕のこれは
運命なのですね
苦しいけど
誰しもが歩む人生を
ひときわゆっくりと一つ一つ
歩いているにすぎないのです
ゆっくりだから
なんでこんなに
ゆっくりなのか
しかしその人生は
難しくはない
当たり前の人生なのだ
あなたと同じ生きものです
僕は
僕だって邪魔されたくないし
ワガママだし
自分の話ばかりするし
ほっておいてほしいし
1人は辛いし
同じです
多分同じです
光り輝く鉢があり
中を泳ぐ魚です
僕らが丸い目を
いっそう
丸くするように
魚だって
この世の不思議に
驚いてるだけ
かもしれない
正直に不思議だと
言いたくて
それが
数珠みたいにつながれば
どこかへ
僕らは必ずゆける