細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】さみしさの連なる果て

両親がいて

あたたかい家だったが

私はなぜかさみしかった

 

求めてはならぬと

なぜか考えていた

求めたら傷つき壊れるから

求められずに立ちすくんでいた

求めたら

ルールを突き破り

私は汚れ罰せられるとすら

思いこんでいた

 

小学校の時には寝ていたら枕が

涙で濡れてしまった

表現の仕方がわからないので

あふれるしかなかった

独特な人だった

砂場をじっと見ていた

漢字の形が面白かった

 

ひとと深くつながれなかった

思春期には

私はガンで20歳で死ぬと思っていた

むくむくと他人に裸でまじわりたい気持ちだけ

あふれて

その気持ちが大きくなり

怖かった

欲望や血や肉と生きるのが怖かった

私は透明だと考えて

いたからだ

 

しかし

20歳を越えて

生きのびた私には

もはや何の目標もなかった

金もうけも

旅も恋愛も

わからないままどんどん歳を取り

ついにはなぜ働くのかまでも

わからないことが

わかり

脳が冬の荒野に散乱した

 

そんな私が

はじめて

ひとと交わった時

私は自分が人間なんだと

驚いた

肉と血の生き物である

あなたには大人の男の匂いがしないと

言われたこともある

 

しかしそれから何年たっても

生きていることがよくわからない

わからないから

しばしば爆発し

ただ恥だけが増えていくようだ

それでも

愛され、あたたかい涙と

切ない笑いに包まれたいと

フラフラと歩いている

 

私と同じ切なさを

感じたら

そこに真実があると

錯覚してしまう

 

真実は

流れの中にあり

最後の姿を見せない

あなたの気持ちや悲しみにも

私が確かにつかめるものはない

しかし

確かにつかめるものはないから

確かにつかめなくても

強く感じとるから

そのことを

誰に伝えていいのかすら

わからない