細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】先のない文明の讃歌を

道があり

道の向こう側に草むらがあり

その向こうの空に

月が浮かんでいます

 

これは文明の最後の場所

君と始まる場所

 

恐らく誰も知らない

知る必要もない

 

なぜなら誰もが

すぐに見ることになるから

なぜなら

すぐに火に包まれるかも

しれないから

 

山の水も海の水も

もう生き物を育まない

板塀から

草や木が突き出す

こんなに早く

ここがこんなになるなんて

 

それでも

私たちは

何にもなかったように

笑い合い歌い合い

先のない文明の讃歌を歌う

 

もはや私は何のためにも生きていない

だからはじめて自分のために歌える

それを伝え会おう

君と

海と

山と

大地と