細々と彫りつける

Concerning poetry,radioactivity,disability,and so on(詩、放射能汚染、障害などについて)

【詩作品】きらめくまで待て

ありえないことの向こう側に

まだ不確かな山の稜線が見え

鳥が真っ赤な空を横切る

その町を焼いた空だ

 

その町はすべて焼かれ

元に戻らない

戻るように思えても

違っていることをけしてまやかしては

いけない

 

私の悲しみは

あの日から全てがごまかされたことだ

ごまかされ、燃え上がり

ウソとウソとが出会い

互いを傷つけあい

毎日を過ごしている

 

ウソという名前の、大切な人の言葉を

信じるしかないなら

すでに全ては破滅している

ただ一つの本当が水や風に

きらめくのが

見えるまで待て

 

本当のことがわかるまで

待つことはできる

ひとは本当のことが示されたら

全てが汚され

命が壊されても

救われることができる

 

本当のことは他の人はわからず

自分しかわからない

というのは本当なのか

 

大人になれば

何もかもが見えにくく

何もかもが覆われてしまうようにみえる

 

でもそうではない

震えたり

戸惑ったりしながら

手に入れることができる